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チャイルドシートを選びたい!安全で使いやすいものはどこにあるのか?

f:id:romulus_k:20170220001355j:plain赤ちゃんが生まれるなら準備しなければならないもの、と言えば何でしょうか。
挙げればきりがないほどたくさんありますが、その中の代表的な一つが「チャイルドシート」です。
種類が多すぎて迷ってしまうこのチャイルドシート選び、何とかならないかと模索している人も多いかもしれません。自分もその一人です。
これらを比較検討する一つの方法として、国が行っている試験「チャイルドシートアセスメント」を用いた方法を実際に行ってみましたのでご紹介します。

前置き~チャイルドシートを選べない~

私事ですが、予定通りに行けば、今年2017年の5月か6月頃には子どもが生まれるのです。
子どもが生まれるということはつまり、やらなければならないことがたくさんたくさんあるということです。少しずつ準備を進めているわけですが、その中の一つに「チャイルドシートを選ばなければならない」というものがあるのです。
なんせこれがないと、自分の家の車で退院すらできませんからね。生まれた後だってこれがないと、赤ちゃんを連れて実家に帰ることもままなりません。
出産前に確実に準備をしておかなければならないものの一つです。

そんなわけで一度、妊娠初期の頃にマタニティ・チャイルド・ベビー用品の量販店に出向いたことがありました。
その際に勧められたのが、6万円~7万円するチャイルドシートでした。
「いやー、結構お高いですなあ。まあでも、こんなもんなのかな?」と思う反面、その近くに置いてあるチャイルドシートが2万くらいのやつとかあって、いやいやずいぶんと差があるもんだなー、とも思いました。
そして、見た感じそんなに違っている感じもしないぞ・・・と。

説明を聞いたところ、その機種の一番の売りは「フルフラットになること」でした。
生まれてすぐの赤ちゃんが一番楽に呼吸ができるのは平らな状態ですよ、と。
なるほどなるほど、高いお金を出してでも、赤ちゃんの快適性を確保した方がいいですよ、という提案でしょうか。
値段の差は、飛行機で言うところのファーストクラスとかビジネスクラスみたいなもんだからなのかな?と思いました。
飛行機の世界でエコノミークラスの方がファーストクラスやビジネスクラスよりも快適です、という人はまあ、ほぼ皆無でしょう。
おそらくチャイルドシートの世界でも、似たような序列はあるはずです。しかし同時に「本当にこの値段の差はそれによるものなのか?他の機種の方が優れているところはないのか?」と思いました。

チャイルドシートに求めるものは何かと言えば、自分の場合、まずは「安全性」です。
お金を出して安全を買えるのなら、自分の子どものためならそれなりの金額出しますよね。
でもそれで赤ちゃんの快適性が大きく失われてしまうのだったら、それは出した金額に見合わないのではないか、とも思ってしまいます。
従って「使用性」についても、しっかりと考えておきたいところです。
赤ちゃんを守る安全性と、赤ちゃんが過ごしやすい快適性、設置しやすい・操作しやすいという使用性をいかに同時に満たしてくれる製品を作るか、ということを各メーカーさんには期待したいところです。
そして、これらの安全性・使用性の違いというのは、単純に価格の差に表れてくれるとは限らないわけですよね。
「一番いいのを頼む(キリッ」って言って安全性も使用性も高いのが手に入ってくれるのならば「高いの買っておけば問題ないよ」ってことでいいんですけど、絶対そうじゃないですよね。

例えばシートに使っている素材がお高いものだったら、安全性や使用性がいくら低くても当然お高くなってくるじゃないですか。
量産体制を敷くことのできる体制が整っているメーカーだったら、同じスペックでも、ちょっと安く提供できたりするということもありそうじゃないですか。

そうなってくると、やっぱり機能の指標というか、比較するための材料が欲しい。
先輩パパママの意見を聞いたり、いろいろとネットショップを見てみたりもしました。しかしもっと情報はないものか。
ネットショップのレビューをたくさん見れば参考になるかな、と思ったんですけど、確かにある程度参考にはなるのですが時間がかかる割にポイントがつかめない。そもそも製品の種類が多すぎて、対象にするものを絞れない。
また、こういうネットショップのレビューは使用前のものも多いです。「まだ届いていないのですが、期待を込めて満点にします。」「初孫のために買いました。今から届くのが楽しみです。」みたいなやつね。
うん、楽しみですよね。でも「レビュー」ではないかな。

いやー、困ったな。これは本格的に選べないぞ・・・

さて、ここまでの流れ、まとめてみましょう。
なぜ自分はチャイルドシートを選べないのでしょうか?
・元々チャイルドシートについて知らない。
・チャイルドシートの機能の比較方法を知らない。
つまり、チャイルドシートがそもそも何たるかを知らず、その機能の違いも知らないので機種ごとの違いの比較もできず、結果「どれが一番自分に適しているか?」を判断できない、ということです。

チャイルドシートとは何か

というわけでまず、基本的な事項として「チャイルドシートとは何なのか」ということを確認しておきましょう。

チャイルドシート(和製英語:child seat)とは、シートベルトを正しく着用する事ができない子供を自動車に乗車させる際、安全を確保するため身体を座席に固定する装置。英語では一般に Child car seat、Child safety seat などと呼ばれ、乳児用のものはInfant seat、学童用のものはBooster seatと区別されることもある。
Wikipediaより引用

世界初のチャイルドシートは1963年にドイツのシュトルヘンミューレ社が発売したものだそうです。このシュトルヘンミューレ社は、現在のレカロ社にあたります。レカロと言えば、スポーツカーやなんかのシートをよく作ってるイメージがありますよね。
このブログ、飛行機の話題がメインなので一応比較的最近の話題を挙げておくと、ANAのA321ceoのシートもレカロ製です。

www.romulus-k-anaume.net

日本の法令では「幼児用補助装置」とされていますが、要は子どもが動かないように固定するためのものです。「幼児拘束装置」と言われたりもしますね。拘束、だと言葉上受けるイメージがちょっとアレなんで、あまり使われることはないでしょうけど・・・

でもこれって、実際結構重要だったりしますよね。自由に動き回れる子どもが例えば運転している人の目をふさいじゃったとかなると、事故の原因にもなってしまうので、場合によってはその場でじっとしていてもらう必要があると。
つまり、事故を起こした時(衝突した時)の安全を確保するという側面が最たるものではありますが、子どもが車内で動き回って運転の妨げになり、結果として事故につながってしまうことがあるので、それを防ぐための装置、というわけです。

このチャイルドシートはさらに細かい分類として「乳児用」「幼児用」「学童用」の3つに分けられます。

身長・体重・年齢に応じて、どの分類にあたるチャイルドシートを使用するのが望ましいかという目安もあります。
1.乳児用(ベビーシート)
体重:13kg未満
身長:70cm以下
年齢:新生児~1歳くらい
2.幼児用
体重:9~18kg
身長:65~100cm以下
年齢:1歳~4歳くらい
3.学童用(ジュニアシート)
体重:15~36kg
身長:135cm以下
年齢:4歳~10歳くらい

f:id:romulus_k:20170308000049p:plain(画像引用元:平成27年度チャイルドシートアセスメント)

合わないチャイルドシートを使うと逆に危険になってしまう可能性もあるので、それぞれを年齢や体重によって使い分けていくことが重要なわけですね。
製品によっては、時期によってシートを外すなどして乳児用と幼児用を兼用できるものもあります。というよりも、乳児用は必要な時期が短いのでむしろこちらの方が主流ですね。
概ね135cm~140cmくらいの身長を超えてくると大人用のシートベルトをそのまま着用して問題ない状態になってくるので、「学童用」の最後の方なんかは高さをちょっと足すための座面だけのもの(ブースターシート)も出てきます。
6歳未満には着用の義務があり、それを超えれば義務はなくなりますが身長が低い場合には使った方がより安全、という形です。

自分の場合、背が小さくて中学生になった頃の身長が確か140cmいってるかいってないかくらいだったと思うのですけど、クラス40人くらいいる中で前から2番目でした。
今の子どもがその年齢でどのくらいの身長まで伸びるのが普通なのかわかりませんが、中学校に入るくらいの年齢でもチャイルドシート使った方がいい身長の人も少数ながらいるということなんでしょうね。
特に女の子も含めたら、それなりの人数いるのではないかと思います。

これらのチャイルドシートは、乳児用に限ったものから新生児から12歳まで使えるものまで様々です。最も多く見られるのは「乳児・幼児兼用」タイプで、適応年齢が「0歳~4歳」というものです。メーカーによっても若干記載が異なったり記載自体がなかったりしますが、大体以下のような対応になっています。

適応年齢 身長 体重
1歳まで 記載なし 10kgまで
1歳半まで 80cmまで 13kgまで
4歳まで 100cmまで 18kgまで
7歳まで 120cmまで 25kgまで
11・12歳まで 145cmまで 26kgまで


名前を見るだけではわからない部分として、覚えておきたい項目です。安価であっても長く使うことができなければ買い換えが必要になってしまい、結果として出費が増えてしまうということにもなりかねません。

多くの人がチャイルドシートを正しく使えていない、という事実

チャイルドシートを使う上で重要なのはこれらの設置・利用において、「正しく設置し正しく利用していなければ意味がない」ということです。
チャイルドシートを使わなかった人の死亡重傷率は、使っていた人の約2.1倍です。
そして、チャイルドシートを不適正に使っていた人の死亡重傷率は、適正に使っていた人の約6.0倍です。
(いずれも国土交通省のホームページより引用)

この内、重要なのは「不適正に使っていた人の死亡重傷率」です。
というのも今の時代、チャイルドシートが必要だ、あるいは大切だということは広く認知されていると思うのです。
ところが、警察庁と日本自動車連盟(JAF)が公表している毎年のチャイルドシートの使用状況を見てみると、例えば最も新しい2016年11月の調査結果の中に「適切な取付けができていた割合は39.3%、幼児を適切に着座させることができていた割合は58.6%でした」という文言が出てきます。

区分 適切な取付割合 適切な着座割合
乳児用 40.0% 63.8%
幼児用 38.6% 49.3%
学童用  - 63.1%
合計 39.3% 58.6%


調査の年が変わっても、この数字にそれほど変化はありません。
チャイルドシートが義務化されたのは2000年のこと。義務化からもう15年以上たっていて十分に認知はされているはずなのに、それでもしっかり取り付けできている例がたった4割。半分以上は間違った取り付けをしているという結果になっているのです。
これでは「子どもを車に乗せるなら、チャイルドシートが必要だよね。ちゃんと付けなきゃね」ということはわかっていても、正しく付けられない結果、事故が起こった時に被害を大きくしてしまうということになりかねないわけです。

いやいや、これの何が衝撃かと言うとですね。
自分、不器用が服着て歩いてるんじゃないかっていうレベルの不器用なんですよ。
いやー、全然ちゃんと取り付けられる気がしない。

チャイルドシートを比較する上で、設置のしやすさ、着座のさせやすさ、あるいはきちんと設置できているかどうかの確認、という「使用性」の観点からの情報が必要なのだろうと思わせる結果です。

チャイルドシートの安全基準とは

次に、チャイルドシートの安全性の目安を測る根拠となる基準について考えてみましょう。

自動車は、その安全性を評価するために前面衝突試験、側面衝突試験といったさまざまな試験が行われています。その結果、安全基準を満たしている、と判断されたものが世に流通してくることになります。
その試験の種類は非常に多岐に渡り、また日本だけではなく海外で作られているものだったら、それぞれの国の安全基準に沿った形での試験が行われていたりもします。
衝突試験の方法や評価、衝突基準については、若干各国の違いがあるものの、似たような試験が行われているのだなあという印象です。
参考として「諸外国における衝突安全性能基準の制定状況」を挙げてみましょう。

国名等 基準 試験方法
米国 前面衝突基準(FMVSS 208) 対リジット・バリア、フルラップ衝突、速度35mph(約56km/h)等
側面衝突基準(FMVSS 214) ムービング・バリア衝突、速度33.5mph(約54km/h)
ECE
(58年協定加盟国含む日本)
前面衝突基準(ECE R94) 対デフォーマブル・バリア、オフセット衝突、速度56km/h
側面衝突基準(ECE R95) ムービング・バリア衝突、速度50km/h
EEC
(ヨーロッパ連合加盟国)
前面衝突基準(ECE R94) 対デフォーマブル・バリア、オフセット衝突、速度56km/h
側面衝突基準(ECE R95) ムービング・バリア衝突、速度50km/h
歩行者保護(Regulation(EC)78/2009) 脚部対バンパ衝突、速度40km/h
頭部対ボンネット衝突、速度35km/h
オーストラリア 前面衝突基準(ADR 69) 対リジット・バリア、フルラップ衝突、速度48km/h
前面衝突基準(ADR 73) ECE R94に準拠
側面衝突基準(ADR 72) ECE R95に準拠
日本 前面衝突基準(道路運送車両の保安基準第18条) 対リジット・バリア、フルラップ衝突、速度50km/h
前面衝突基準(道路運送車両の保安基準第18条) ECE R94に準拠
側面衝突基準(道路運送車両の保安基準第18条) ECE R95に準拠
歩行者保護(道路運送車両の保安基準第18条) 頭部対ボンネット衝突、速度32km/h
シートベルトリマインダ(道路運送車両の保安基準第22条の3) ECE R16に準拠

(引用元:諸外国のアセスメント | 自動車総合安全情報

これらの試験や基準はチャイルドシートに限ったものではありませんが、同じようにもちろんチャイルドシートについても一定の基準が設けられています。
日本の場合は、それを判断する基準は「Eマーク」です。

f:id:romulus_k:20170308230513j:plain(画像引用元:チャイルドシートコーナートップページ|国土交通省

このEマークに付随して記載されている情報には、以下のものがあります。
・対象の体重範囲
・チャイルドシートの種類
 ○UNIVERSAL(汎用)
 ○SEMI UNIVERSAL(準汎用)
 ○RESTRICTED(限定)
 ○SPECIFIC VEHICLE(特定車両用)
・装置を認可した国の番号
※日本は「E43」。他に「E1」がドイツ、「E2」がフランス、「E51」が韓国、など

これが付いているチャイルドシートであれば、現行の基準を満たした製品である、という証明になります。
その他、2012年6月30日よりも前に作られたチャイルドシートの場合は改正前の古い基準に適合していることを示す「自」マークが添付されている場合があります。

f:id:romulus_k:20170308230647j:plain(画像引用元:チャイルドシートコーナートップページ|国土交通省

これを見ると「なるほど、じゃあ今から買うなら、Eマークが付いている製品を選べば安心だね!」と思いたくなりますが・・・
2016年9月に新聞報道にて、主にインターネットショップでこれらのEマークが付いていない製品が安く流通している、という実態が報じられるということがありました。
マークの付いていない商品は安全機能が満たされておらず強度が低い可能性があり、また使用するとドライバーが法令違反に問われる可能性もあるということですので、Eマークは「付いていれば安心」ではなく「付いていて当たり前」という位置付けなんですね。特にネットで購入する場合には注意が必要であると言えそうです。

安全性と使用性の評価「チャイルドシートアセスメント」

チャイルドシートの基本について確認したところで、次は「チャイルドシート同士の比較方法」について考えてみましょう。
自動車に関連する衝突試験や安全基準については先に挙げたようなものがありますが、市販のチャイルドシートについて国土交通省と独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)が行っている機能評価が「チャイルドシートアセスメント」として毎年公表されています。現在の最新版はH27年度版です。

国土交通省のチャイルドシートコーナーのホームページには、こんな文面があります。

国土交通省と独立行政法人自動車事故対策機構では、市販のチャイルドシートについて前面衝突試験と使用性評価試験を行い、その結果を安全性能の評価として公表しています。皆さまの大切なお子様のために、このチャイルドシートアセスメントをご活用いただき、より安全なチャイルドシートを選んでいただければと思います。
チャイルドシートコーナートップページ|国土交通省

はい。しっかりと活用させていただきます。
複数の製品を同じ土俵で比較しているため、これを使えばある程度客観的に比較することができそうです。

このチャイルドシートアセスメントは国土交通省の「自動車総合安全情報」のページから、過去分も含めてダウンロードすることができます。(画像右側の赤丸部分参照)
自動車アセスメント・予防安全性能アセスメント・チャイルドシートアセスメント | 自動車総合安全情報

f:id:romulus_k:20170308233932p:plainまた、独立行政法人自動車事故対策機構のホームページからは、チャイルドシートアセスメントの結果についてメーカーや試験結果を絞った検索もできます。
JNCAP|チャイルドシートアセスメント - チャイルドシートアセスメント - 試験機種を検索

f:id:romulus_k:20170308234216p:plainメーカーを指定したり試験結果の数値を指定して検索することができるので、試験の概要と大体の結果が分かった後は、チャイルドシートアセスメントのPDFを見比べるよりもこちらから調べた方がやりやすいかもしれませんね。
※グレコのG-FIXがメーカー名「グレコ」では検索されず「アップリカ」で検索しないと出てこないなど一部実情に合わない部分もあるようです。
(グレコの製品サポートはアップリカ・チルドレンズプロダクツ合同会社が行うなど両者が関連の強いメーカーであるためと思われます)

アセスメントの詳細は「前面衝突試験」「使用性評価試験」の結果

チャイルドシートアセスメントに記載されているのは、市販されているチャイルドシートの「前面衝突試験」と「使用性評価試験」の結果です。

1.前面衝突試験

<試験方法>

f:id:romulus_k:20170308234920p:plain

f:id:romulus_k:20170308234926p:plain台車に固定された試験用シートに子供ダミーを乗せたチャイルドシートを取り付け、その台車を止まった状態から時速55km(国の安全基準の速度の1割増)になるように急激に後ろに打ち出すことにより、自動車が前面衝突した場合と同様の衝撃を発生させます。その時、チャイルドシートの取付部等の破損状況、ダミーの頭部や胸部の合成加速度、ダミー頭部の前方への移動量、ダミーの拘束状態の加害性など台車の項目を計測します。(引用元:平成27年度チャイルドシートアセスメント)

 

<評価方法>

・乳児用(ベッド型)の評価

f:id:romulus_k:20170308235347p:plain①衝突によるチャイルドシート取付部等の破損
②衝突によって胸部に生じる力
③衝突時のチャイルドシート底面の傾き
④衝突時の頭部の前方への移動量
衝突時に生じたその他の事象

・乳児用(後ろ向き型)の評価

f:id:romulus_k:20170308235421p:plain①衝突によるチャイルドシート取付部等の破損
②衝突によって胸部に生じる力
③衝突時のチャイルドシートのシートバック(角度)
④衝突時のチャイルドシート上端面からの頭部のはみ出し
衝突時に生じたその他の事象

・幼児用の評価

f:id:romulus_k:20170308235509p:plain①衝突によるチャイルドシート取付部等の破損
②衝突によって胸部に生じる力
③衝突時の頭部の前方への移動量
④衝突によって頭部に生じる力
衝突時の胸たわみ
衝突時に生じたその他の事象
(引用元:平成27年度チャイルドシートアセスメント)

試験結果は、各カテゴリーの①~④の評価結果に応じて総合的に4段階で評価されます。

優:①~④の4つの項目が全て◎の場合
良:4つの項目の中で◎が3つ、○が1つの場合
普:「優」「良」「推奨せず」に該当しない場合
推奨せず:評価項目の中で1つでも「×」があった場合

「推奨せず」と言われると使ってはいけないのではないかと思ってしまいますが、そういうわけではありません。
より安全で使いやすいチャイルドシートを選ぶために安全性と使用性の機能を比較するという試験の観点からすると推奨するに至らないだけであって、国の定めた安全基準は満たしているということのようです。
(もっとも、実際のチャイルドシートアセスメントで「推奨せず」の製品はほぼ0なのですが)

2.使用性評価試験

使用性評価試験は、チャイルドシートを使うにおいて、説明書の記載や製品本体への表示などについて「簡単に、正しく使うことができるかどうか」を判断するための試験です。

チャイルドシートを実際に使用される際、誤った取り付けが多数見受けられます。ユーザーが自動車の座席にチャイルドシートを取り付ける際、確実に取り付けられるように配慮されているかなどを、専門家が判定しています。
(引用元:平成27年度チャイルドシートアセスメント)

試験項目は「①取扱説明書等」「②着座のさせやすさ」「③車への装着性」「④本体の構造」「⑤本体表示」の5項目です。
各項目において、以下に示す観点から評価が行われます。
<評価方法>

①取扱説明書等
・説明文のわかりやすさ、正確性
・図版の見やすさ、正確性
・子どもの体格別の使用方法
・注意、警告の表記及び問い合わせ先
・動画等での説明
②着座のさせやすさ
ハーネスの高さ調節・長さ調節(ハーネスの残りシロ等)・長さ調節の確認
バックス等の操作性・ロックの表示
③車への装着性
固定の確実性
・自動車座席側取り付け具(アンカー)とアーム
・ベースと本体(前向き)
・ベースと本体(後ろ向き)、シートバック角度
・ベースと本体(横向き)
座席回転防止機構
・サポートレッグ
・テザーストラップ
ロックの表示
・自動車の座席とベースとのロック表示
・座席回転防止機構のロック表示
④本体の構造
可動機構等
・リクライニングの操作性
・その他可動部の操作性
・ISO-FIX
・ラップシステム及び座席回転防止機構(トップテザー又はサポートレッグ)の操作性
シートカバー
・取り付けの確実性
収納部
・取扱説明書、装着に使用する付属品の収納
⑤本体表示
・取付方法のわかりやすさ
・座席回転防止機構(トップテザー又はサポートレッグ)の操作方法のわかりやすさ
・表現のわかりやすさ
・その他可動部の操作方法のわかりやすさ
・装着方法のわかりやすさ
(引用元:平成27年度チャイルドシートアセスメント)

各項目ごとに5点を満点として評価されます。
またH27年度から評価の方法が「5項目の平均点」から「5項目の合計点」に変更となっています。
そのため、H27年度のチャイルドシートアセスメントでは、使用性評価試験は平均点表記のものと合計点表記のものが混在しています。

試験内容も変更されているという記載があり、H26年度とH27年度のチャイルドシートアセスメントの使用性評価試験の評価方法を見たところ確かに少し違いがありますが、「使いやすいかどうかを判断している」という視点では大きく変更はないと言えそうです。
最近のチャイルドシートメーカーは、ホームページで取り付け方法を動画で見ることができるところも多いので、そういった最新の事情を反映したものにするためなどで今後も変更される可能性があるかと思います。
(現状「使用方法の動画があるかどうか」という観点は、情報として記載はされていますが評価の対象とはなっていないようです)

この使用性評価試験が定められている背景となっている視点は「ママでも簡単、確実に取り付けられるかどうか」というものです。
例えば座席が回るような機構になっている場合に、力がいらずに回すことができてかつ確実に固定できるかどうか、本体表示がそれに従ったわかりやすい表示になっているかどうか、ということですね。
チャイルドシートは製品によって重量の差がかなりあって、重い製品だと15kgくらいあったりするので、女性が1人で取り付けるというのはあまり現実的ではありません。
また、最初の取り付けだけではなくて普段の使用の時から「ママが1人だけで使う」ということも多くありますので、こういう視点が必要になるのですね。

チャイルドシートアセスメントはこれら「前面衝突試験」「使用性評価試験」の2つの試験の結果が記載されており、この結果を総合して見ることで、そのチャイルドシートの「安全性」と「使用性(使いやすさ)」を同時に判断する基準を得ることができます。

チャイルドシートの固定方法の違い~ISO-FIX固定タイプかベルト固定タイプか~

チャイルドシートアセスメントは、対象となるチャイルドシートによって以下のような大まかな分類がなされています。
①乳児専用(ベルト固定タイプ)
②乳児・幼児兼用(ISO-FIX固定タイプ)
③乳児・幼児兼用(ベルト固定タイプ)
④幼児専用(ベルト固定タイプ)

ここで重要なのは、チャイルドシートを固定する方法には「ベルト固定タイプ」と「ISO-FIX固定タイプ」の2種類があるということです。

まず「ベルト固定タイプ」は、3点式シートベルトを用いて取り付けるタイプで、旧来からある方式です。過去にはこのタイプのチャイルドシートしかなかったこともあり製品数が多いです。
シートベルトがある車ならどの車でも取り付けられそうな印象がありますが、実際にはシートやバックルの形状が影響することがあり全ての車に取り付けられるわけではありません。各メーカーで公表されている適合車種を確認する必要があります。

対して「ISO-FIX固定タイプ」は、車の座席下部に取り付けられた「ISOバー」と呼ばれる取り付け金具に接続するタイプです。
シートベルトを用いるタイプに比較して取り付け方法が簡単で、かつ金具を使うためしっかりと取り付けられるという特徴があり、使用方法の誤りが起きづらいと言われています。
2012年7月1日以降に生産・販売されている車には汎用のISOバーの設置が義務付けられたため、これ以降に購入した車なら、全てISO-FIX対応ということになります。
これ以前に生産された車の中にもISOバーが設置されている車がありますので、車種や生産時期によってはISO-FIX固定タイプのチャイルドシートを設置することができます。ただしこれもチャイルドシートによって適合車種がありますので、ベルト固定タイプと同様に取り付けに際しては各メーカーで公表されている適合車種を確認する必要があります。

f:id:romulus_k:20170309222059p:plain個人的な感覚ですが、このシートベルトを用いるタイプの固定、自分には全くできる気がしないのですよね・・・。
実際にやってみると簡単なものもあるのかもしれませんが、使用性を判断する重要な材料の一つと言えそうです。

チャイルドシートアセスメントの問題点

さて、ここまで見てきたチャイルドシートアセスメントの概要。
この存在により、ある程度客観的にチャイルドシートの比較ができそうです。

ただしチャイルドシートを選ぶにあたって、チャイルドシートアセスメントが完全でない部分もあります。いくつか考えてみましょう。

①新製品の評価が確認できない

チャイルドシートアセスメントは1年に1回しか発表されませんので、その間に出た新製品の直接の評価が確認できません。
平成27年度で言えば例えばApricaの「フラディアグロウ ISOFIX版」やCombiの「クルムーヴ」などがそれに当たります。
これら新製品の性能については、過去の製品の結果から類推したりする必要があります。

②詳しい製品名がわからない

チャイルドシートアセスメントでは、試験対象となっている各製品の名称や型番名が若干曖昧な面があって「試験されているこのチャイルドシートは、結局どれなの?」と思ってしまうくらい、わかりにくい製品がいくつかあります。
例えば、TAKATAの「takata04-i fix」と「takata04-i fix WS」は名前が非常に似ていますが別機種です。
差は少ないものの試験結果も別にありますが、PDFファイルとして公開されているのは「takata04-i fix」のみです。
そのため、実際に購入した機種がチャイルドシートアセスメントに記載されているものと本当に同じものであるかどうか不明なことも多いです。
また、ほとんどの場合は100g程度の誤差ですが、各メーカーの製品ページにある重量表記がチャイルドシートアセスメントの記載と合わないということも多くあります。

③製品の適応年齢がわからない

チャイルドシートアセスメントで試験されているのは「乳児用」「幼児用」またはそれらの兼用モデルです。
チャイルドシートの着用義務は6歳まで続きますが、多くのチャイルドシートの適応は「乳児・幼児兼用。0~4歳頃まで」というものです。
一部はその後も使うことができる製品ですが、その適応年齢は別途調べた上で検討する必要があります。

④全ての製品を網羅しているわけではない

当然のことではありますが、販売されている全ての製品がチャイルドシートアセスメントでの試験対象となっているわけではありません。
特に、学童用(=1歳以上が対象で、4歳以降も使うことができるモデル)の機種は試験されていないものが多くある印象です。

⑤製品の価格が記載されていない

最も大きい現実的な問題がこれではないかと思います。
チャイルドシートアセスメントには製品の価格が書かれていないため、予算を決めてから製品を選ぶ、ということができません。
安全のためにはお金を惜しまないとは言え、チャイルドシートの価格は2万円しない程度のものから15万円程度のものまでさまざまです。
安全性あるいは使用性の評価が最大ではなくても、価格とのバランスを考慮した結果コストパフォーマンスに優れた製品を選びたい、ということもあるでしょう。
チャイルドシートアセスメント単体では、そういった「価格から」の視点の現実的な評価はできません。

⑥製品の使いやすさは人によって異なる

チャイルドシートアセスメントの内、安全性評価の「前面衝突試験」については、ある程度客観的な評価ができるでしょう。しかし使用性を評価する「使用性評価試験」については、その価値基準が人によって異なるという問題があり、単純に「点数が高い=誰にとっても使いやすい」とは限らない、という問題があります。
例えば「本体への表示」について言えば「シンプルに文字だけの表記の方がわかりやすい」という人もいれば「アイコンのような絵の表記があった方がいい」という人もいて、「少々文字が細かくなっても、本体に表示が詳しく書いてあった方がいい」という人もいるわけですよね。
ある程度、選ぶチャイルドシートを絞り込む要素にはなりますが、実際にはやはり実物の製品を見ることが確実であると考えられます。

平成27年度チャイルドシートアセスメントの結果

それでは、これらチャイルドシートに関する基礎知識とH27年度のチャイルドシートアセスメントの結果と問題点を踏まえて、チャイルドシートを選んでみることにしましょう。

<表の記載における注意事項>
・前述の通り、チャイルドシートアセスメントの内容は現在購入可能な製品と記載が一致しているものだけではないため、一部試験されたチャイルドシートと異なるものの可能性があります。名称や重さ、製品写真などから該当すると思われるものを挙げています。
・価格については、各メーカーの製品ページに定価の記載があるものはそれに従っています。一部記載がないものについては、2017年2月後半時点での楽天市場での価格を参考に載せています。市場価格は常に変動しますので、現在の販売実勢価格とは一致しない可能性があります。
・一部の製品は、同じ製品名でさらにいくつか価格帯のランクが存在しているものがあります。
(例:AILEBEBEのクルットNTは上位モデルから順に「プラウド」「プレミアム」「アドバンス」の3モデルがある、など)
こういった製品の価格は、シートの性能を比較した場合の最もベーシックと思われるものを記載しています。
・価格欄に記載のない製品は、各メーカーの製品ページに記載がなく、後継機種販売等の理由で販売終了していると思われるものです。
・使用性評価については、旧基準で評価されているものと新基準で評価されているものがありますが、表の記載ではこの両者を区別せず合計点表示に統一しています。

乳児用のチャイルドシートアセスメント

まずは、乳児用に使用できる製品の試験結果を見てみます。




















使







Combi グッドキャリー ベルト ~1歳 22 3.3kg ¥33,000
Romer ベビーセーフプレミアム*1 ベルト ~1歳半 21 3.7kg ¥38,000
AILEBEBE キュートフィックス 乳幼 ISOFIX ~4歳 22 8.4kg ¥22,000
AILEBEBE クルット 3i*2 乳幼 ISOFIX ~4歳 22 14.5kg ¥46,111
Aprica クルリラ
乳幼 ISOFIX ~4歳 19 14.9kg ¥56,000
Combi ネセルターン/ネルーム
ISOFIX*3
乳幼 ISOFIX ~4歳 20.5 12.0kg ¥60,000
GRACO G-FIX 乳幼 ISOFIX ~4歳 なし 14.8kg ¥31,000
LEAMAN iA01 乳幼 ISOFIX ~4歳 20 11.8kg ¥50,000
TAKATA takata04-i fix 乳幼 ISOFIX ~4歳 21.5 10.9kg ¥50,000
AILEBEBE クルット NT 乳幼 ベルト ~4歳 22.5 13.3kg ¥41,463
Aprica クルリラ 乳幼 ベルト ~4歳 17 14.9kg ¥56,000
Aprica フラディア
(ベッド時)*4
乳幼 ベルト ~4歳 17.5 14.0kg ¥62,000
Aprica フラディア
(後ろ向き時)
乳幼 ベルト ~4歳 16 14.0kg ¥62,000
Combi コッコロ UX*5 乳幼 ベルト ~4歳 20 4.4kg ¥28,000
Combi ネセルターン/ネルーム 乳幼 ベルト ~4歳 20.5 11.4kg ¥50,000
Combi ママロン 乳幼 ベルト ~7歳 20.5 5.3kg ¥26,200
Combi マルゴット 乳幼 ベルト ~7歳 21 7.4kg ¥30,000
GRACO G-FIX 乳幼 ベルト ~4歳 17 8.7kg ¥31,000
Joie チルト 乳幼 ベルト ~4歳 15 6.1kg ¥14,800
LEAMAN カイナ 乳幼 ベルト ~7歳 21 5.3kg ¥19,800
LEAMAN ネディアップ 乳幼 ベルト ~4歳 18 6.4kg ¥19,800
LEAMAN パミオウーノ*6 乳幼 ベルト ~4歳 21 6.7kg ¥38,000
LEAMAN ピピデビュー 乳幼 ベルト ~4歳 19.5 6.4kg ¥25,000
Nihonikuji バンビーノ 04 乳幼 ベルト ~4歳 16 5.8kg ¥12,800
Pigeon cuna*7 乳幼 ベルト ~4歳 19 5.6kg
TAKATA takata04-neo SF 乳幼 ベルト ~4歳 22.5 7.8kg ¥40,000
TAKATA takata04-pops*8 乳幼 ベルト ~4歳 21 4.3kg
TAKATA takata04-smartfix 乳幼 ベルト ~4歳 19.5 10.3kg ¥52,381
TAKATA takata04-smartfix basic 乳幼 ベルト ~4歳 20 10.3kg ¥37,905
TAKATA takata04-symphonyEC*9 乳幼 ベルト ~4歳 21.5 6.1kg

以下、スペースの都合上省いた補足事項です。

前面衝突試験の詳細については以下の通りです。
・「シート背もたれの傾き」(衝突時のチャイルドシートのシートバック)は試験されている全ての製品で「◎」となっています。
・「破損の状況」は、Combiの「ママロン」とNihonikujiの「バンビーノ04」が「○」で、その他は全て「◎」となっています。
・「胸部に受ける力」は、3分の1程度の製品が「○」、その他が「◎」となっています。

全体として、試験対象となっている乳児用チャイルドシートの安全機能は、総じて高い評価になっています。
個々の製品によってもちろん違いはありますが、あまり細かく区別する必要もないかと思いますので詳細の記載は省いています。
強いて言えば「胸部に受ける力」を防ぐことができるかどうか、が難しい点なのだろうな、というところでしょうか。

幼児用のチャイルドシートアセスメント

次に、幼児用に使用できる製品の試験結果を見てみます。




















使







AILEBEBE キュートフィックス 乳幼 ISOFIX ~4歳 22.5 8.4kg ¥22,000
AILEBEBE クルット 3i 乳幼 ISOFIX ~4歳 22 14.5kg ¥46,111
Aprica クルリラ 乳幼 ISOFIX ~4歳 19 14.9kg ¥56,000
Combi ネセルターン/
ネルーム ISOFIX
乳幼 ISOFIX ~4歳 21.5 12.0kg ¥60,000
GRACO G-FIX 乳幼 ISOFIX ~4歳 なし 14.8kg ¥31,000
LEAMAN iA01 乳幼 ISOFIX ~4歳 20.5 11.8kg ¥50,000
TAKATA takata04-i fix 乳幼 ISOFIX ~4歳 22.5 10.9kg ¥50,000
AILEBEBE クルット NT 乳幼 ベルト ~4歳 22.5 13.3kg ¥41,463
Aprica クルリラ 乳幼 ベルト ~4歳 17 14.9kg ¥56,000
Aprica フラディア 乳幼 ベルト ~4歳 17 14.0kg ¥62,000
Combi コッコロ UX 乳幼 ベルト ~4歳 21 4.4kg ¥28,000
Combi ネセルターン/
ネルーム
乳幼 ベルト ~4歳 20.5 11.4kg ¥50,000
Combi ママロン 乳幼 ベルト ~7歳 21 5.3kg ¥26,200
Combi マルゴット 乳幼 ベルト ~7歳 22 7.4kg ¥30,000
GRACO G-FIX 乳幼 ベルト ~4歳 17 8.7kg ¥31,000
Joie チルト 乳幼 ベルト ~4歳 17.5 6.1kg ¥14,800
LEAMAN カイナ 乳幼 ベルト ~7歳 20.5 5.3kg ¥19,800
LEAMAN ネディアップ 乳幼 ベルト ~4歳 18 6.4kg ¥19,800
LEAMAN パミオウーノ 乳幼 ベルト ~4歳 21.5 6.7kg ¥38,000
LEAMAN ピピデビュー 乳幼 ベルト ~4歳 20 6.4kg ¥25,000
Nihonikuji バンビーノ 04 乳幼 ベルト ~4歳 17 5.8kg ¥12,800
Pigeon cuna 乳幼 ベルト ~4歳 19 5.6kg
TAKATA takata04-neo SF 乳幼 ベルト ~4歳 22.5 7.8kg ¥40,000
TAKATA takata04-pops 乳幼 ベルト ~4歳 20.5 4.3kg
TAKATA takata04-smartfix 乳幼 ベルト ~4歳 19 10.3kg ¥52,381
TAKATA takata04-smartfix basic 乳幼 ベルト ~4歳 18.5 10.3kg ¥37,905
TAKATA takata04-symphonyEC 乳幼 ベルト ~4歳 21.5 6.1kg
AILEBEBE スイングムーン ベルト 1~7歳 20.5 8.3kg ¥21,111
Aprica エアグルーヴ ベルト 1~11歳 14 5.4kg ¥18,500
Aprica ユーロハーネス*10 ベルト 1~11歳 17.5 9.3kg
Combi ジョイトリップ*11 ベルト 1~11歳 19 4.9kg ¥20,000
LEAMAN フィーカ*12 ベルト 1~11歳 22 5.4kg ¥26,800
LEAMAN ロングフィット*13 ベルト 1~4歳 21.5 4.7kg ¥11,850
Nihonikuji トラベルベスト
EC プラス
ベルト 1~12歳 16 3.0kg ¥12,000
Nihonikuji ハイバックブースター
EC II Air
ベルト 1~12歳 × 11 4.2kg ¥15,800
RECARO RECARO Start J1 ベルト 1~12歳 11 6.4kg ¥22,700
RECARO RECARO Young Sport*14 ベルト 0.75~
12歳
16 8.4kg ¥35,000

幼児用のチャイルドシートの試験結果全体の傾向として、
・「幼児専用」になると安価で軽量なものが増えてくるが、全体的に安全性能も低めの評価のものが多い。
・乳児用で衝突試験が「優」でも、幼児用で「良」に甘んじる製品が多い。
(乳児用よりも幼児用の方が安全性が低めの評価になっているものが多い)
ということが言えるかと思います。

また、前面衝突試験の詳細については以下の通りです。
・乳児用で評価を高くすることが難しかった「胸部に受ける力」は、幼児用ではCombiのジョイトリップの「○」評価を除いて全て「◎」評価
・「破損の状況」は、全36製品中4製品が「○」、その他は全て「◎」評価
(○評価はApricaのクルリラ、TAKATAのtakata-04 pops、NihonikujiのハイバックブースターEC II Air、RECAROのYoung Sport)
・「推奨せず」に該当しているのは1製品(NihonikujiのハイバックブースターEC II Air)のみ

結局、どのチャイルドシートがお勧めなのか?

いろいろ見てきましたが、チャイルドシートアセスメントの結果は複雑で「で、結局どれがいいの?」という感じが満載ですね。

今回、いくつかの視点から、少なくともチャイルドシートアセスメントの結果から見るとこの製品がいいんじゃないかと言えるものを選んでみました。

・安全性重視。前面衝突試験結果が「優」のものから選ぶ

<ISOFIX固定タイプ>
Combiの「ネセルターン/ネルーム ISOFIX(乳児・幼児兼用)」60,000円
※ベルト固定タイプの評価は低めなので注意が必要
GRACOの「G-FIX」(乳児・幼児兼用)31,000円
※ISOFIX固定使用時のみ
TAKATAの「takata04-i fix」(乳児・幼児兼用)50,000円
<ベルト固定タイプ>
Romerの「ベビーセーフプレミアム」(乳児専用)38,000円
LEAMANの「カイナ」(乳児・幼児兼用)19,800円
TAKATAの「takata04-neo SF」(乳児・幼児兼用)40,000円

・使いやすさ重視。使用性評価試験結果が高いものから選ぶ

<乳児用の試験結果が高いもの>
AILEBEBEの「クルットNT」合計22.5点 41,463円
TAKATAの「takata04-neo SF」合計22.5点 40,000円
※上記2機種はどちらもベルト固定タイプ
<幼児用>
AILEBEBEの「キュートフィックス」合計22.5点 22,000円
TAKATAの「takata04-i fix」合計22.5点 50,000円
※上記2機種はどちらもISOFIX固定タイプ
AILEBEBEの「クルットNT」合計22.5点 41,463円
TAKATAの「takata04-neo SF」合計22.5点 40,000円
※上記2機種はどちらもベルト固定タイプ

・コストパフォーマンス重視。30000円以下のものから選ぶ

AILEBEBEの「キュートフィックス」22,000円
(ISOFIX 乳児用「良」22点 幼児用「優」22.5点)
Combiの「コッコロUX」28,000円
(ベルト 乳児用「良」20点 幼児用「普」21点)
Combiの「ママロン」26,200円
(ベルト 乳児用「良」20.5点 幼児用「普」21点)
Combiの「マルゴット」30,000円
(ベルト 乳児用「優」21点 幼児用「良」22点)
Joieの「チルト」14,800円
(ベルト 乳児用「優」15点 幼児用「良」17.5点)
LEAMANの「カイナ」19,800円
(ベルト 乳児用「優」21点 幼児用「優」20.5点)
LEAMANの「ネディアップ」19,800円
(ベルト 乳児用「優」18点 幼児用「良」18点)
Nihonikujiの「バンビーノ 04」12,800円
(ベルト 乳児用「良」16点 幼児用「普」17点)

・長く使えるロングユースタイプから選ぶ

新生児から使えるチャイルドシートは、ほとんどの製品の適応年齢が「0歳~4歳まで」。それよりも長く使えるロングユースのタイプをピックアップしてみます。
Combiの「ママロン」26,200円(0~7歳まで)
Combiの「マルゴット」30,000円(0歳~7歳まで)
LEAMANの「カイナ」19,800円(0歳~7歳まで)
GRACOの「マイルストーン」30,000円(0歳~11歳まで)
※新機種のため、マイルストーンはH27年度チャイルドシートアセスメントには記載なし
※上記4機種は全てベルト固定タイプ

買いたい!と思ったチャイルドシートたち

以上、さまざまな観点から、H27年度チャイルドシートアセスメントに記載のあるチャイルドシートをいろいろと見てきました。

その中から、自分が「あっ、これがいいかも」と思った機種をいくつかピックアップしてみます。
※それぞれの試験結果の詳細は全てH27年度チャイルドシートアセスメントの引用です。

①GRACOの「G-FIX」31,000円

f:id:romulus_k:20170312185248j:plainまずはこれ。GRACOの「G-FIX」です。

G-FIX | チャイルドシート | ベビー用品のグレコ (GRACO) 家族、もっと楽しく!

1台でISOFIXとベルト固定の2種類のタイプを使い分けることができるという機種(台座部分をISOFIXで固定し、それにシートを取り付ける形。ベルト固定で使う場合はシート部分のみ使用)で、値段も31,000円と他のISOFIX対応タイプに比較して安価です。

f:id:romulus_k:20170312185529p:plainISOFIXタイプについては、使用性試験が試験車両に対応していないため未実施、という結果になっています。前面衝突試験の結果についても、ベルト固定タイプだと幼児用で「良」という結果になっていて、使用性評価試験も合計点17点と正直高い数値ではありません。重さが14.8kg(ISOFIX使用時)とかなり重いのも、頻繁な付け替えがある場合にはデメリットであると思います。
ただ、ベルト固定タイプの使用性評価試験の詳細の結果を見ると点数が低いのは「取扱説明書等」と「本体表示」。ホームページに使い方を説明した動画もありますし、一旦使い方を理解してしまえば問題ないのではないか、と思いました。
他の機種でISOFIXタイプとベルト固定タイプが両方あるものを比較しても、全体としてベルト固定タイプよりISOFIXタイプの方が前面衝突試験・使用性評価試験共に結果がよくなるので、合計点17点以上の使用性評価試験は期待できるのではないかとも思います。

②TAKATAの「takata04-i fix」50,000円

f:id:romulus_k:20170312190523j:plainGRACOの「G-FIX」と並んで候補にしているのがTAKATAの「takata04-i fix」です。

takata04-ifix | チャイルドシート|TAKATA(タカタ)株式会社

前面衝突試験は乳児用・幼児用どちらも「優」ですし、固定方法はISOFIXによる固定で、ベルト固定タイプよりも簡単に、しっかりと取り付けられるものだという印象です。
TAKATAのチャイルドシートはその他の機種についても全体的に評価が高めで、安心して購入ができるメーカー、というイメージがあります。
第一候補はこれかな、と思っていたのですが、いくつか札幌でチャイルドシートを取り扱っている店舗を回ってもどこにも置いてなくて、できれば実物を確認してから購入したいなというところでどうしようかなと思っています。

③LEAMANの「カイナ」19,800円

f:id:romulus_k:20170312191411p:plain続いて、LEAMANの「カイナ」です。

カイナ|リーマン株式会社

カイナは、お値段がまず2万円を切る程度の価格でお手頃。実際の販売価格はこれよりもさらに安いところが多いようです。15,000円程度が実勢価格でしょうか。
とっても買いやすいこの値段で、前面衝突試験は乳児用・幼児用共に「優」。使用性評価試験についても、合計点が21点または20.5点、という形で高めです。
さらにチャイルドシート本体の重さも5.3kgと軽めですので、付け替えが頻繁になる場合にも比較的容易に運ぶことができるのではないかと思います。
「値段の安いチャイルドシートで、しっかりとした性能評価がなされているもの」という視点から見れば、少なくともH27年度チャイルドシートアセスメントの結果を見る限り、総合で見た最強機種はこの「カイナ」であると判断して差し支えないのではないかと思いました。
唯一と言ってもいいデメリット、かつ、自分がきっとこの機種を選ぶことはないだろうなと思う最大の理由は「ISOFIX固定タイプではない」ということです。
たぶんこの機種がベルト固定タイプじゃなかったら確実にこの機種にしていただろうと思います。(ただ、ISOFIXタイプが同じ値段で販売されるとは考えづらいですが)
この取付に関する問題は「性能を最大限発揮するようにしっかりと取り付けられる気がしない」と言い換えてもいい切実な問題です。メーカーのホームページで見られる取扱説明書も確認してみたのですが、いやー・・・これはちょっと不器用な自分には取り付けられないのではないかと思ってしまって、使用性評価試験で「車への装着性」が最も点数が低いというところを見ても、若干不安要素が強いな、と感じました。
ただ、自分のような無類の不器用レベルでなければ、器用な人じゃなく普通の人でもおそらくしっかり取り付けられるとは思いますので、人に勧めるなら、間違いなく候補に挙げるだろうな、という機種です。

番外編:試験結果に期待したい新機種2選

最後に番外編として、H27年度チャイルドシートアセスメントに記載のない新機種として、試験結果がいいことに期待したいなと思った2つの機種を紹介します。

・Apricaの「フラディアグロウ」シリーズ

まずはApricaの「フラディアグロウ」シリーズです。

フラディアグロウ|ベビーカー・チャイルドシートのアップリカ | Aprica

この「フラディアグロウ(Fladea Grow)」は、チャイルドシートアセスメントに記載のある「フラディア」の新しい機種で、2016年にISOFIX固定タイプが追加になりました。
ISOFIX固定タイプが
・デラックス(税抜69,000円)
・スタンダード(税抜64,000円)
の2グレード展開。ベルト固定タイプが
・ハイデラックス(税抜69,000円)
・デラックス(税抜62,000円)
・スタンダード(税抜55,000円)
の3グレード展開です。
価格が高いのが難点ですが、現時点で販売されているチャイルドシートの中で唯一完全なフルフラットシートが実現できる製品です。フルフラットの方が赤ちゃんが窮屈でなく過ごしやすい、というのは確かにそうかもしれないなと思いますし、普通に使用している状態でも赤ちゃんの状態を確認しやすい、というのがメリットです。信号待ちの間なら、振り向いて確認することもできるかと思います。
横向き使用の際は後ろ向き使用に比較して衝突の時の安全性が低くなってしまうというのが避けられないデメリットではありますが、現時点のフラディアの結果でも「乳児用(ベッド型)」と「幼児用」が「良」評価、「乳児用(後ろ向き時)」が「優」評価とけして悪いものではないので、追加になったISOFIXタイプがどこまで評価を伸ばすのか楽しみだなと感じた機種でした。

・GRACOの「マイルストーン」

次に、GRACOの「マイルストーン」です。

MILESTONE(マイルストーン) | チャイルドシート | ベビー用品のグレコ (GRACO) 家族、もっと楽しく!

マイルストーンの最大の特徴は「新生児から12歳程度まで使うことができる超ロングユースモデル」ということです。数あるチャイルドシートの中でも、ここまで適応年齢が幅広いのはたぶんこの機種だけではないかと思いますね。

f:id:romulus_k:20170312195326p:plain(公式ページより画像引用)

「1歳頃から使える」という幼児用シートであれば「1歳~7歳頃まで」あるいは「1歳~11歳・12歳頃まで」という適応年齢のものもいくつかありますが、新生児からずっとこの1台でOK!というのはかなり特徴的です。
しかも、お値段も25,000円程度とそれなりにお手頃です。在庫状況や時期にもよるとは思いますが、20,000円程度で販売している量販店もあるようです。
ベルト固定タイプなので、もしかしたらそれほど安全性試験の結果は芳しくないかとは思いますが、これでしっかり「優」の評価が出るようだったら、LEAMANの「カイナ」に並ぶお勧め機種になれるのではないかと思いました。
ただし、子どもが2人以上いてチャイルドシートを2台以上購入する必要がある、という場合にはここまでのロングユースが望ましいケースはそれほどないのではないかと思います。0歳~4歳までの乳児・幼児兼用タイプと1歳~7歳の幼児兼用タイプがあれば、よほど年齢差が近い場合を除いてほとんどの場合で着用義務年齢をカバーできると思いますし、7歳を超えるような時点から使うチャイルドシートは座面を高くするだけのいわゆる「ブースターシート」も多くあります。
ブースターシートは単体で購入しても2000円しないくらいの製品もありますので、ロングユースタイプを選択するのではなくこの部分を買い換え、というのも十分考えられる選択肢だと思います。

まとめ

チャイルドシート、と一口に言っても、その種類はさまざま。
乳児用・幼児用・学童用と3種類あってそれぞれで適応年齢も形も性能も全く異なるのに基本的に全部「チャイルドシート」という名称なので、本当に混乱しやすいところだと思います。
これに加えて古い機種新しい機種があって・・・となると、その時選ぶことのできるベストな選択というのはどこにあるのか、完全に迷子になってしまいます。
今回の記事で取り上げた機種についても、今年2017年いっぱいくらいまでは参考になるかと思いますが、それ以降について比較検討する場合は、またその時出ている機種の試験結果がどうなのかを見る必要があります。
そういった意味で、ある程度新しいものの情報を手に入れることもできる「チャイルドシートアセスメント」の存在は大きいなと感じました。
あくまでもチャイルドシートアセスメントは比較検討するための材料の1つに過ぎません。子どもによって生まれた時から身長体重が異なりますし、使っている車の使用頻度や車種によっても選択肢は変わってきます。実際の操作など、実物を見なければわからないこともたくさんあるかと思います。
ただ、数あるチャイルドシートの中から比較検討し、いくつかをピックアップする手段の一つとして、チャイルドシートアセスメントの存在はありがたいものでした。どんな製品があるかの概要を知り、よりよい検討を行うために活用できるものなのではないかと思います。

*1:2014年からレーマーはブランド名を「Britax(ブリタックス)」に変更しており、ブリタックス・レーマーと書かれることも多くあります。ブリタックスのチャイルドシート一覧のページには現在、ベビーセーフプレミアムの商品名はありません。「BABY-SAFE PLUS SHR II」が後継機種となっている様子ですが、BABY-SAFE PLUS SHR IIは重さも4.7kgあり異なる部分があるため、同等の性能ではない可能性があります。

*2:「グランス」と「プレミアム」の2種構成で、グランスの方が上位モデルです。定価の記載はありませんが、グランスの実勢価格を入力しています。

*3:最上位モデル(NF-800)80000円
ハイグレードモデル(NF-700)70000円
スタンダードモデル(NF-600)60000円
の3構成です。価格はスタンダードモデルを入力しています。

*4:アセスメント中唯一の「乳児用(ベッド型)」にあたります。後ろ向きに使用することもできるため、それぞれで安全性・使用性が評価されています。

*5:現在製品一覧で確認できるのは「コッコロS UX」です。

*6:試験結果は2006年度のもので、現在製品一覧で確認できるパミオウーノは「パミオウーノEX2」のためこちらとは異なる可能性があります。

*7:現在の製品一覧に見当たりません。後継機種は西松屋限定の「cupio」ではないかと思われますが、詳細は不明です。

*8:現在の製品一覧には見当たりません。

*9:現在の製品一覧には見当たりません。

*10:現在の製品一覧には見当たりません。

*11:ハイグレードモデル(ジョイトリップ エッグショックGC)32000円
スタンダードモデル(ジョイトリップ エアスルーGC/GF)28000円
の2機種構成です。

*12:現在製品一覧で確認できるフィーカは「フィーカDX」のためこちらとは異なる可能性があります。

*13:現在の製品一覧には見当たりません。

*14:現在製品一覧で確認できるのは「RECARO Young Sport HERO」のためこちらとは異なる可能性があります。