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捕らぬマイルの皮算用~知識のANA埋め~

SFC修行、マイレージ、クレジットカード、資産運用、デジタルガジェットなどの知識の補足用ブログ

SFC修行を始める前に意識しておきたいSFC修行のデメリット

f:id:romulus_k:20170413061843j:plainこのブログでは、主に国内線でのSFC修行を想定して、PP単価が優秀な路線を探ったりプレミアム旅割28の年間の運賃推移を見てみたり、いろいろなことを考察しています。

自分は2016年にANAのプラチナ会員となり、スーパーフライヤーズカード(以下、SFC)を取得しました。
仕事で飛行機に乗ることはほぼありません。

2015年後半頃から、主にポイントサイトを使ってANAのマイルをたくさん貯めるといういわゆる「陸マイラーブログ」が多く出てくるようになりました。
マイルの話はあまり出てきませんが、このブログもその一つと言えます。
それに伴って、ANAの上級会員になるためだけに飛行機に乗る「SFC修行」を行う人も増えてきたように思います。

自分はSFC取得するまでの道のりもとても楽しかったし、本当に取得してよかったと思います。
もしこれから「SFCを取りたい!」という人がいたら「是非取ってください!楽しいですよ!あ、ブログやってますか?搭乗記、楽しみに待っていますね!」という感じなのですが、中にはSFC修行に対して否定的な意見を持つ人もいます。

そのSFC修行、本当に必要ですか?周りに流されていませんか?

SFCにはメリットもたくさんありますが、逆もまた然りです。
反対に、そのデメリット、つまり「SFC修行はいらないのではないか」という観点についても、しっかりと考えてみましょう。

「SFC修行はいらない」の2つの視点

SFC修行が必要ない、無駄であるという主張がなされる場合、大きく分けて2つの視点があるように思います。

1.旅行なのに苦痛を伴うなら意味がない。
2.SFCを取得しても、実際に得られるメリットは少ない。

どちらも重要な視点だと言えるでしょう。
それぞれ、もう少し詳しく考えてみましょう。

旅行なのに苦痛を伴うのはおかしい?

まず、「楽しいはずの旅行に苦痛を伴うなら、やる意味はない」という考えです。
「辛い思いをしてまで飛行機に乗るなんておかしいですよ」と、言い換えることもできるかと思います。

SFC修行は、時に「苦行」と称されることもあります。

普通の人は、上級会員になるだけ飛行機に乗ることなど、当然ながらありません。
それを無理やり上級会員になろうとするわけですから、場合によっては無理なスケジュールも出てきます。
仕事で飛行機に乗る人が乗っている分を他で補填しなければならないわけですのでね。スケジュールの確保が課題の一つになるわけです。
結果として、フライト以外の部分に割くことのできるスケジュールがなく、空港に着いてそのまま同じ機材で戻ってきたり、通常取らないルートで移動距離を稼いだり、海外に行っているのに現地滞在6~7時間程度で帰ってきたり、ということが起こってきます。
国内線普通席や国際線エコノミークラスなど、狭い機内で何時間も移動しているだけでは、やっぱり疲れるし楽しくない、ということも出てくるでしょう。

「機内で動けないから腰が痛い。辛い」「またここからトンボ帰り。。。全然楽しめない」ネガティブなツイートも、出てくるかもしれません。

問題は、これらの「辛い」をもって、ただちに「意味がない」と判断することができるかどうか、です。

「楽しい」「辛い」は非常に主観的な感覚で、個人によって全く異なります。
そして、どんな趣味でも、常に楽しく!というものって、なかなかないと思うんですよね。

登山だったら、登頂するまでは辛いかもしれない。
釣りだったら、釣れずに待っている間は辛いかもしれない。
ゲームだったら、クリアするまでは辛いかもしれない。

個人的には一番想像しやすいのが「モンスターハンター」ですかね。
あのゲーム、ほんと鬼みたいな確率でしか出ない素材があって、しかもそれを大量に使わないと作ることができない装備とかがたくさんあるんですよね。
1%もないような確率でしか落とさない素材を求めて、それはそれはもう何回倒すねんってくらい、あらゆるモンスターを狩りまくるわけです。
狩っている間には、いらない素材ばっかり出ることももちろんあるし、倒せないこともあるので、「辛い」と思ったりします。

それに向かって「いや、趣味なのに辛いとかバカじゃね?やらなきゃよくね?」と言う人がいたとします。
なるほど、感覚としてはわかります。所詮ゲームだし、辛いならやめればいい話、ということですよね。

ただ、とらえようによってはこの「辛い」というのは、それを越えてでも作りたい装備があるからやっているわけですよね。「辛い」を越えた先に得られるメリットがあるからやっているわけです。

それを、一時の「辛い」だけで切り捨ててしまうのはどうなんだろうな、と。

SFC修行のルートについても、どこまでを許容できてどこからは辛いのか、個人差がかなりあると思います。

・普通席で日帰り2往復
・プレミアムクラスで同一機材同一CAでトンボ帰り
・プレミアムエコノミーでOKA-SINタッチ
・エアチャイナの格安ビジネスクラスでSINタッチ

などなど。
プレミアムクラスなら日帰り往復でもいいかなとか、空港タッチ一つとっても国内はまだアリだけど海外は嫌だなあとか、絶対1泊はしないと嫌だとか、人によって感じ方はいろいろですよね。

一から十までほんとに辛いことしかなくて、やめたくてやめたくて仕方なくて、その先に得られるSFCに何の魅力も感じないなら、素直にやめるべきだと思います。
でもそうじゃないなら。楽しい時もあってSFCにも魅力を感じていて、たまたま今辛いだけなら、それはきっと意味のある「辛い」だと思います。

SFCを取得しても得られるメリットは少ない?

次に、「SFCを取得したところで、得られるメリットが少ないから意味がない」という考えです。
確かに、このブログを含めて、SFCに関して書いてあるブログにはメリットを強調したものが多いですので、マイナス面からの視点も必要ですね。

ANAの上級会員、とりわけプラチナ会員になることで得られるメリットについては、以下の記事で解説しています。

www.romulus-k-anaume.net

最大でも2年程度しか継続できないこれらの資格を、SFCというクレジットカードを発行することでずっと得ることができます、ということがSFC修行が存在する理由です。
また、本来の意味での上級会員と言える「プラチナ会員」資格で得られる特典と、SFC会員資格で得られる特典には違いがほとんどありません。

www.romulus-k-anaume.net

それでは、今、SFC修行を終えて手元にSFCが存在していると仮定して、次の状況に「意味があるか、ないか」を判断してみましょう。

1.飛行機に一切乗らない。
2.国内線プレミアムクラスにしか乗らない。

これらの状況に当てはまるなら、SFCを取得する意味は「ない」と判断して差し支えないと思います。

当たり前の話ですが飛行機に乗らずに得られるSFCのメリットはほぼありませんし、プレミアムクラスに乗るのなら、ラウンジ利用・専用保安検査場利用・優先搭乗といったメリットを、上級会員でなくても得られるからです。

ただ、プレミアムクラスの座席数は普通席に比べてかなり少ないので、特に家族連れなどの場合に実際に毎回しっかりプレミアムクラスを確保できるかどうかはなかなか難しい問題ではないかと思います。

3.国際線ビジネスクラスにしか乗らない。

国内線のプレミアムクラスと同様に、国際線をビジネスクラスで乗るのなら同じくラウンジ利用や優先搭乗などの恩恵を上級会員でなくとも受けられます。

今後ずっと、国際線ではビジネスクラスにしか乗らないとしたら、空港や機内で得られるサービスだけを考えるならSFCは必要ないと思います。
ただ、国際線ビジネスクラスの場合少し話が異なるのは、これをマイルによる特典航空券で乗る、と考えた場合です。
言わずもがなですがビジネスクラスの運賃はとってもお高いです。SFC修行を検討しているような人がビジネスクラスを有償で何回も乗る、という状況はあまりないかと思います。
路線と時期にもよりますがANAの国際線特典航空券は一般的に非常に取りづらいので、上級会員資格で得られる「国際線特典航空券の優先」が役に立つこともあるでしょう。

www.romulus-k-anaume.net

4.1回普通席で国内旅行に行く。
5.1回エコノミークラスで海外旅行に行く。
6.2回エコノミークラスで海外旅行に行く。
7.3回普通席で国内旅行に行き、1回エコノミークラスで海外旅行に行く。
8.3回エコノミークラスで海外旅行に行く。
9.5回普通席で国内旅行に行き、2回エコノミークラスで海外旅行に行く。

さて、それではこのあたりではどうでしょうか。

うーん、そうだなあ。1回や2回エコノミークラスで旅行するだけなら意味ないかもしれないけど、それに5回国内旅行するならありかな?
いやいや、でも取得に50万とかかかるわけでしょう。このくらいの旅行回数じゃ元取れないよ。
いや、オレは3回海外旅行行くなら元取れるだけの価値があると思うね。

これだけ条件が変わると、人によって「意味があるか、ないか」の判断が変わってくると思います。取得してから何年SFCを保持するのかによっても、その判断基準は大きく左右されそうです。

先に挙げた「1.飛行機に一切乗らない」や「2.国内線プレミアムクラスにしか乗らない」も、突き詰めれば同じことなのですが、これらのメリットは「人によって判断が異なる」ので、一概に基準を立てることは難しいんですよね。

極端な話ですが、取得後、1回のラウンジ利用・専用保安検査場利用・優先搭乗で「SFC修行をやった意味・価値があった」と考える人もいるわけです。
どういう状況ならSFC修行に価値があって、どういう状況だと価値がないのか。
人によってこの判断基準はバラバラです。

その人が置かれている状況を見ず、その人の主観をほったらかしにして他人が「修行なんかしたって意味がない」と騒ぎ立てることに意味はないかなと思います。

ただし、SFC修行は基本的に、一般人からは「無駄である」という感覚を抱かれることは覚悟しなければなりません。
上級会員という存在があることすら知らない人も多いですし、普通の人の感覚では、飛行機に乗ることは目的地に行くための手段であって目的ではないので「え、もったいなくない?意味ないよね?バカじゃないの?」という感覚が先に来ることがほとんどでしょう。

そういう意味でも、「SFCでこんなメリットが得られますよ!すごいですよ!」という形でメリットだけ強調して書かれたものに対して、少し懐疑的になることは必要かもしれません。おおよそ50万円以上のお金と莫大な時間がかかることを考えると、考えすぎるくらいでちょうどいいです。

SFCで得られるメリットは他で代替できるか?

もしも、SFCで得られるメリットを享受するために、SFC修行を行わない方法で代わりにすることができるのなら「SFC修行は必要ない」と判断できそうです。
そんなわけで以下、SFCで得られる主なメリットについて「代替策があるか?」「実際使ってみてメリットはあるか?」という視点で、個人的な意見を書いていきます。

A.ラウンジ利用

国内線のANAラウンジは、国際線に比較するとそれほど魅力のある場所でなく「特になくてもいいかな」という人もそれなりにいるかと思います。
ビールや焼酎は飲み放題ですが、食べられるものは「すなっくみっくすおつまみ」のみ。無料と考えればもちろんお得感はありますが、ビールが飲みたければ別のところでも飲む手段はあります。

また、羽田空港に限ってではありますが「ANA MY CHOICE」の利用で1回3100円でラウンジが利用できます。

ANA MY CHOICEはいつもの旅に「ちょっとプラス+」できるサービスです[国内線]│航空券│ANA国内線


国際線についても、羽田空港・成田空港のANAラウンジは有料にて利用ができます。
2017年4月11日搭乗分までは「ANA MY CHOICE」の利用で5150円でした。
2017年4月12日搭乗分からはサービスの変更があり、「有料ラウンジサービス」として対象クラスと事前予約有無により4000円または6000円で利用できるようになりました。

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有料ラウンジサービス|Service & Info[国際線]|ANA

サービス変更後、特典航空券での利用が不可能になるなど若干の違いはありますが、ラウンジ1回あたりの利用料金としてはそれほど大きな違いはありません。

その他、80000プレミアムポイント達成やダイヤモンドメンバー特典として手に入る「ANA SUITE LOUNGEご利用券」をオークションで手に入れるという方法もあります。

2017年度 「ダイヤモンドサービス」メンバー限定 選択式特典|プレミアムメンバーサービス|ANAマイレージクラブ


概ね1枚6000円程度の価格で取引されていることが多く、この利用券を使えば、ダイヤモンド会員でないと入ることのできない「ANA SUITE LOUNGE」に入ることができる他、スターアライアンス加盟航空会社便、提携航空会社便利用時にも入ることができるというメリットもあります。

いずれの場合も、ラウンジ利用を金銭的価値に換算すると、高くても1回6000円程度ということになります。
これだけを以てSFC修行にかかる費用50万円と相殺しようとすると実に84回利用する必要があるということになりますので、なかなかここだけを以て取得するに余りあるメリット、とはならないかと思いますね。

また国際線ラウンジの場合「プライオリティパス」で代用するという手もあります。

https://www.prioritypass.com/ja

プライオリティパスは通常400US$のサービスですが、一部クレジットカードには無料で付帯されています。
年会費1万円で付帯される「楽天プレミアムカード」や、年会費2万円で家族カードにも無料付帯できる「MUFGカード・アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カード」などが、年会費を安くプライオリティパスを手に入れることができるクレジットカードとして有名です。

SFCの取得費用と年会費を単純に比較しても、年会費1万円なら50年分ですからね。かなりの人が一生分賄える程度ではないでしょうか。

プライオリティパスで利用できる空港ラウンジは随時変更がありますが、主要な空港はほぼカバーされていて必要十分、という場合が多いです。
欠点として挙げられるのが日本国内の空港で使えるラウンジが少ないということで、カードラウンジではないいわゆる「航空会社ラウンジ」で使うことができるのは成田空港、関西空港、中部国際空港、福岡空港の国際線大韓航空ラウンジ(KALラウンジ)だけです。国内線では利用できる航空会社ラウンジはありません。
また、家族(特に、クレジットカードを持つことができない子供)がいる場合などは、同伴者無料にはならないので使い勝手が悪くなります。

ラウンジ利用は日本から出発する時よりも帰ってくる時の方が恩恵が大きいかなあ、と思いますので、海外旅行にそれなりに行く人でラウンジ利用以外の特典にメリットを感じない人は、無理にSFC修行をせずともプライオリティパスで代用、というのは十分に考えられる選択肢だと思います。

上級会員資格で得られる特典の代名詞のような「ラウンジ利用」ですが、そもそも使わなくてすむ場合も多い、プレミアムエコノミーでも使うことができる、など、実際のところ他の特典に比べて代替策が取れる場合が多い印象です。

B.優先チェックインカウンター

国際線でANA便を使う場合なら、ワイドカード以上を持っていればビジネスクラスのチェックインカウンターを使うことができます。
「本人のみ」の但し書きはありますが、これはプラチナ会員・SFC会員の特典でも同様です。実際には、同行者も一緒にチェックインできてしまう場合がほとんどかと思います。
ご予約とフライトのサービス│ANAカードのご案内│ANAマイレージクラブ


国内線では、Skipサービスを使うなどでそもそもチェックインカウンターを使わない、という場合も多いかと思いますし、通常カウンターの方が優先チェックインカウンターよりも空いている(ように見える)こともそれなりにあります。
頻度が多い場合は楽にはなるでしょうが、国際線に比べれば手荷物の預け入れにかかる時間の差も少ないです。

国際線のエコノミークラスで、ANA便以外を使う場合が最もSFCの恩恵が大きいと思います。
その時の混雑状況にもよるので、恩恵をあまり実感できないということもそれなりにあるのが優先チェックインカウンター、というところでしょうか。

C.優先搭乗

優先搭乗も、人によって必要かそうでないかが大きく分かれるところだと思います。

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特にここは、国内線でプレミアムクラス、国際線でビジネスクラスといった上位クラスの座席を利用する時には顕著だと思います。通路も広めで、荷物の収納も余裕があって、わざわざ先に乗る必要もないことが多いのではないでしょうか。
自分もここは、SFC修行中プレミアムクラス利用で「とりあえず優先されてるから貧乏性でさっさと乗る」という形で利用してはいたものの、正直意味があるのかよくわからないなあ、と思っていたところでした。
ただエコノミークラスで旅行した時には、優先搭乗で先に席に座ってからその後乗ってくる人たちが行列してたり肘打ちされそうになってたり荷物入る場所探してたり、いろいろと苦労しているのを見た限り、それなりのメリットがあると思いました。

優先搭乗するかしないかを状況によって選ぶことができることはメリット。
でも、なくてもそれほど問題ない。
それが優先搭乗ではないかと思います。

D.専用保安検査場

ここは「あるのとないのとでは大違い」と言っていい部分だと思います。我らが北海道の新千歳空港なんかは特にひどくて、端から端までずらーっと並んで保安検査待ちの人の列、みたいな状況になることも少なくありません。そんな中、ほとんど待たずにスッと通れて、通った先もそのままラウンジに行けたりスムーズな動線が確保できるのは非常に快適です。

ただ、「専用」保安検査場は意外と設置されている空港が少ないんですよね。

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国内線で新千歳・羽田・伊丹・福岡空港、国際線で羽田・成田空港を使う人なら、メリットが大きいのではないかと思います。

E.手荷物受取の優先・許容量の優待

手荷物受取の優先と許容量の優待も、特に国際線ではかなりメリットが大きい部分ではないかと思います。

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上の記事にも書いているのですが、個人的に大きいなと思うのは、実際に受け取るまでの時間だけではなくて「最初に流れてくるプライオリティタグ付きの荷物に、自分のものがある」という安心感です。
実際の受取までの時間は、正直あまり変わらないこともあると思うんですけど、旅行回数を重ねていくとやっぱりメリットは大きいんじゃないかなあと思います。

国内線がメインの場合は、それほど必須ではないかと思います。もちろん間違いなく早くはありますが、そもそも手荷物を預けずにすむ場合も多いですし、機体がそれほど大きくないなら時間の差も少ないですし、預け入れの頻度によるかなあというところですね。

F.国際線特典航空券の優先

せっかく貯めたANAマイルも使えなければ意味がない、というところで役に立つのがこの「国際線特典航空券の優先」です。
SFCがあれば、国際線特典航空券で予約することができる席数が増えるほか、空席待ちも優先されます。

特典航空券での発券を考える場合、「旅行する日付を決めてから特典航空券を発券する」というよりは「特典航空券で取ることのできる日付に、旅行する日を合わせる」という形になることも多いかと思います。
仕事の休みがいつ取れるか直前までわからない、というような場合だと特に利用するのが難しい特典航空券ですが、枠の優先によりそれが実現できる可能性も増えます。

特典航空券の枠の優先のためにSFCを取得する、というほどの価値があるか?というところは若干疑問ではあります。エアチャイナなどは比較的格安でビジネスクラスに乗ることができたりしますし、ANAにこだわらない・特典航空券での発券にこだわらない、という場合には、なくてもさほど影響はないかもしれません。

でも自分は、他の航空会社ではなくANAに乗りたいし、たくさんマイルを貯めてビジネスクラス・ファーストクラスに乗るのが夢です。
その可能性を少しでも高めてくれるこの特典には魅力を感じます。

G.プレミアムエコノミーへの無料アップグレード

これも代替策はなく、かなりメリットが大きい特典ではないかと思います。

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24時間前からの勝負で運が悪ければアップグレードできないこともあるでしょうが、ツアーなども対象で、かつ成功率もそれなりに高いようなのでいつかは受けてみたい特典の一つです。

ただお子さんがいる場合は、この特典を受けられるのは「本人のみ」のため少しハードルが上がってしまいます。
例えばSFC本会員+SFC家族会員+子供1人で旅行をした場合を想定すると、無料アップグレードの対象はあくまでも上級会員資格のある「SFC本会員」と「SFC家族会員」だけです。
場合によってはANAの判断で座席を入れ替えることができたりインボラアップグレードされたり、ということもあるようですが、あくまでもイレギュラーな対応ということのようです。

H.空席待ちの優先

これは普段からガンガン使う特典というよりは台風や降雪による欠航の時などで「いざという時の安心」という側面が強い特典かと思います。
プレミアムクラスへのアップグレードは、普段から9000円払ってまで国内線でやるだろうかと言われるとかなり疑問ですし、優先されたところで肝心の空席がめったに出ないという致命的な問題があります。新千歳~那覇とかの人気路線でしか空席待ちした経験はありませんが、結局どれも空席は出なかったのでダイヤモンド会員だったとしても変わらないところです。

台風などの非常時に優先されるということが実際どれだけ恩恵があるのかは、実際にそのような場面に遭遇したことが今のところないので正直わかりませんし、実際にその状況になったとしても実感できるかどうかはわかりませんね。台湾で帰国便が台風の影響で翌日に振替になった時は、もしかしてスターアライアンスゴールドだから優先されたんじゃないかと思ったりもしましたがたぶんそんなことはありません。

I.番外編。デルタスカイマイル・アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードを作る

最後にもう一つ、上級会員の資格自体を別のもので代替する、という方法もあります。

デルタスカイマイル・アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード(以下、デルタアメックス)を所持すると、年会費26000円+税でデルタ航空の上級会員、ゴールドメダリオンの資格が得られます。
クレジットカードを持つだけで航空会社の上級会員になることができるという意味ではSFC、あるいはJALのJGCと同じなのですが、重要なのはこのデルタアメックスはSFCやJGCと違って全くゼロの状態からも申し込むことができるということです。

デルタ航空はANAが所属するスターアライアンス、JALが所属するワンワールドに並ぶ世界三大航空連合の一つ、スカイチームに所属しています。デルタ航空の便だけでなくエールフランスや大韓航空、アリタリア航空、KLMオランダ航空などその他の加盟航空会社20社の便に搭乗する場合にも、同じような特典を受けることができます。

SFCの最低維持費約10000円と比較すると高い年会費ですが、修行不要で上級会員になることができるわけです。
また、航空連合間でステータスマッチという形でキャンペーンが行われていることも多く、これを利用して別の航空会社の上級会員資格を得ることができたりもします。

代表的なのがユナイテッド航空で、このデルタアメックスを所持することで得ているゴールドメダリオンを元にして、90日間の限定ではあるもののユナイテッド航空のプレミアゴールド資格を得ることができるというキャンペーンが継続して行われています。ユナイテッド航空のプレミアゴールド資格はそのままスターアライアンスゴールド資格でもありますので、ラウンジ利用や優先搭乗といった特典はANA便利用の際にもほぼ同じ形で受けることができます。

問題は、日系航空会社が所属していない航空連合であるという点から、メリットを享受できる条件が限られることが多いということでしょうか。
国内線では恩恵を得られませんし、当然ですが国内線か国際線かによらず、ANAに乗ってもJALに乗っても、デルタアメックスは効力を発揮しません。

個人的には、今20代30代の人が取得を考えるなら、時間さえ許すなら 20年30年見た時のトータル支出は同じでもSFC修行かJGC修行によって受けられる恩恵の方が大きいんじゃないかなあという印象ですが、 使う航空会社や利用期間によっては、十分選択肢に入ってくるものではあると思います。

あまり語られないけど重要な家族からの視点

その他、SFC修行に価値があるかどうかを判断する材料として絶対に欠かせないものとして「家族」の存在があります。

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SFC修行を行う上で、自分単体で見た時にはそれほどメリットを感じないということもあるでしょう。「本人のみ」という特典も多くあります。
でもそれが、全く飛行機に乗っていない家族にも家族カードの発行という形で恩恵を受けられることによって、SFC修行の価値は高まっていると思うのです。

自分も、独身時代の方が絶対的にSFC修行をやりやすい環境にあったにも関わらず、実行に移したのは結婚してからでした。
「家族カードの発行によって、全く修行をしていない家族にも恩恵を受けてもらうことができる」実際これはかなり大きいと思います。
ただし、よく理解されず勝手に修行始めた場合にここだけ強調してしまうと、高確率で「そんな恩恵頼んでないわ!」と言われるので注意が必要です(笑)

夫がSFCをほしいと思っているけど、諸事情でできないから妻にやってもらう。
妻がSFCをほしいと思っているけど、諸事情でできないから夫にやらせる。

こんなこともあるかと思います。

例えばもし、あなたは何故SFC修行をしているのですか?という問いに対して「妻にやれと言われているから」とだけ言う夫がいたとしても、自分は「ああ、家族のためにやってるんですね!素晴らしいことです」と言うと思います。

主体的でなく、妻に言われたからやるだけなんて夫がかわいそうだ!という意見もあります。
確かにまあ、主体性がないコメントだなとは思いますし、実際にSFC修行をしている本人が辛くて辛くて、やめたくてしょうがないのなら本当にかわいそうな話です。

でも自分の場合で考えてみたら、自分が興味のないことだったとしても奥様が興味持ってて、自分に「協力してやってもらいたい」ことを相談されたら最大限協力するだろうなあと思うんですよね。なんなら人になんでそんなことやってるのか聞かれて「妻にやれと言われているから (いやー奥様がやれって言うから仕方なくなんすよーつらいんすよー好きだから仕方ないんすよーニヤニヤ) 」とかなる可能性すらありますので、置かれている背景とかが詳しくわからないと、判断が変わってくるだろうなと思います。

ただ意識しておかなければならないのは、お金よりもむしろ時間の問題です。かなりの時間がフライトに割かれることになりますので、好き勝手ばっかりやるわけにいかないという点では、そのあたりの事前検討は抜かりなくしておく必要があるでしょう。

メリットは、実際取って使ってみないとわからない

ここまでいろいろと書いてきましたが、価値があるかないかの判断が人によって異なるという観点が全てなので、実際に取って使ってみるまでは何とも言えない、というのも正直なところなんですよね。
長く持っていればそれだけありがたいと思うことも増えるでしょうし。

家電とかでも、高いものだったらまず買う前にレビュー記事とかいろいろ見て調べて比較検討してそれから買いますけど、実際の使用感ってやっぱりレビュー通りにいかないこともありますからね。

高いお金出していい家電買ったはいいけど、あんまりいいものじゃなかったなあ・・・
高いお金出してSFC取ったはいいけど、あんまりいいものじゃなかったなあ・・・

同じような感じで、SFCも取得後に後悔するパターンも当然考えられるわけです。
ブログなどでは「取ってよかった!」という声の方が多く聞かれますが、ほとんどの人はポジティブなことをブログで発信したいと思うものなので、ネガティブな視点から書いている人の記事こそ重要と言えるかもしれません。

SFC修行をする前に、是非プレミアムクラスで体験を

そういう意味で、国内線プレミアムクラスで上級会員のメリットを体験してみる、というのは胸を張ってお勧めできます。
国際線での恩恵を受けてナンボ的なところはあるのですが、こちらはビジネスクラスを体験するというのはなかなかハードルが高いと思いますので・・・
ANAラウンジ利用などの一部の特典はプレミアムエコノミーでも受けられますので、SFC修行関係なく、シドニーやシンガポールなどの比較的プレミアムエコノミーが安い路線に旅行する、ということでもアリかもしれません。

国内線プレミアムクラスで、座席や機内サービス以外で受けられる優先チェックインカウンター、専用保安検査場、ラウンジ利用、手荷物受取優先、優先搭乗などにメリットを実感できるのなら、その時点でSFC修行をする価値があると言えると思います。
国内線の利用で価値を見出せるなら、国際線は間違いなくそれ以上の価値を見出せますのでね。

その他特典航空券の優先とか、空席待ちの優先とかそのあたりのSFC特典はまあ、ロマン的な部分も多いので何とも判断しがたいところでしょうか。

プレミアムクラスに乗るために利用したい運賃形態は「プレミアム旅割28」と「プレミアム株主優待割引」です。

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下記のまとめ記事にて、このブログで紹介している各時期・各起点空港のプレミアム旅割28についての記事へのリンクがありますので、ご利用の際は是非ご検討ください。

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陸マイラーとSFC修行の関係

2017年はSFC修行僧が増えた、とよく聞きます。
同時に、陸マイラーブログも増えています。

巷で話題の陸マイラーブログ、現在のメインは「ポイントサイトをうまく活用して、大量のマイルを貯める」という主題がほとんどです。
特にソラチカカードを使ったANAマイルへの交換が高レートなので人気ですね。

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陸マイラー活動で大量にANAマイルを貯めてSFC修行を行いましょう、という場合には、「ANA SKY コイン」(以下、スカイコイン)を使います。

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こんどの旅に、すぐ使える。ANA SKY コイン | ANAマイレージクラブ

SFC修行をする前の「平会員」の状態で、事前準備としてANAワイドゴールドカードを発行したとすると、50000マイル以上の交換で1.6倍換算のスカイコインが手に入ります。1スカイコインは1円相当で航空券購入に使うことができますので、効率的に現金の持ち出しを減らしつつSFC修行を行うことができる、というものです。

この方法は確かに現金の持ち出しを減らす方法として有効ではあるのですが、万能ではありません。以下のような注意点があります。

・1.6倍の換算レートを確保するためには、50000マイル以上を持っておく必要がある。
・1マイル=1.6円のマイル単価はけして高くない。
・大量のANAマイル獲得の要である「ソラチカルート」には月18000マイルという上限がある。

スカイコインを使って現金の持ち出しを減らす場合、前提条件として50000マイル以上が必要です。そうしないと交換倍率が悪いので、恩恵が薄くなります。
SFC修行に50万円分の航空券購入が必要だとして、全てをスカイコインで賄おうとすると1.6倍換算の場合31万2500マイル必要です。
ソラチカルートを毎月上限まで交換というのを続けたとしても1年半かかりますし、何より31万2500マイルという大量マイルは、ハワイへビジネスクラスで4~5回往復できてしまう数です。

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マイル単価1.6円という数値はマイルの価値としてはけして高くはありませんし、何年も継続して大量マイルを得続けるのは簡単なことではないので、無条件で「陸マイラーになって、大量マイルを稼いでスカイコインでお得にSFC修行をしよう!」となってしまうのは短絡的だと言えるでしょう。

趣味に「元を取れるかどうか」という発想は当てはまらない

SFC修行の最大のデメリットとも言えるのは「多くのお金と時間がかかること」です。
家族で一緒にSFC修行をやるような場合は別ですけど、その場合のメリットとデメリットのバランスは、どちらかと言えばデメリット側に傾くのではないかと思います。

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でもこれだって、「お金をかけてでも家族と一緒にいたい、SFCを取りたい」と思ったのなら、それはそれで素晴らしいことだと思います。

何にお金をかけて何を得て、それにどういう価値を見出すか。
ここはほんとに人それぞれですからね。

ソーシャルゲームに50万課金する。
50万円するブランド品を買う。
50万円分高級な食事をする。

どれもそれなりの対価が得られるでしょう。
ソーシャルゲームで50万課金したら、ゲームによる差はあれどもそれなりのものが手に入りますよね。
50万円するブランド品。これはもう、言わずもがな。ブランドによっては50万円じゃ全然大したもん手に入らないよ、ということもあるとは思いますが、ほとんどの場合はそれなりのものが手に入ると思います。
50万円分の食事。どの程度高級な食事をするかにもよるでしょうが、日常とはかけ離れたとっても豪華な食事を楽しむことができるという人がほとんどだと思います。

でも考えようによってはこのいずれに対しても「ソシャゲに50万も課金するのはもったいないな・・・」とか「ブランド品身に付けてても意味ないな・・・」とか「食べたらなくなっちゃうものに50万円はちょっとなあ・・・」とか、ネガティブなことはいくらでも思いつきます。

50万円かけてSFC修行をする。

これも同じようなことかな、と。

50万円を趣味につぎこんで、残るものがSFC。
そこに価値があるかどうか、その後にどうするかは、その人が決めることです。
「ソシャゲに50万円もつぎこむなんて、あの人はバカなんじゃないか」
「50万円もするブランド品付けたって、機能はそのへんの量産品と同じなのに意味がない」
これもまた真実。ソシャゲに50万円つぎこんだり、50万円のブランド品を身に付けることに価値があるかどうかを決めるのは、その人自身です。

SFC修行を「趣味」としてとらえるならば、「元を取れるかどうか」という発想自体がナンセンスです。
一般人には高確率で「もったいない」「意味がない」と言われてしまいますが、この記事で長々と書いているメリットを検討した結果、SFCを取得することに「意味がある」または単純に「やりたい!」と思えるのなら、それはきっと後悔しない選択です。

まとめ

SFC修行には、多くのお金と時間がかかります。
そして多くの場合、一般人にはその価値は理解されず「もったいない」「意味がない」と言われます。

自分も2016年にSFC取得を検討した際には、旅行と修行のバランスを取ってある程度観光もできるようなスケジュールを意識したつもりですが、それでも普通の人は新千歳と関西を日帰りで往復したりはしません。
ただこれは趣味だから。やりたいからやるんです。バカをやってみたいからやるんです。
取得後に得られるメリットは、かける費用との相殺ではなくて、全てプラスになると思えたからやりました。

突き詰めて言ってしまえばこれが全てなのですが、現実的にはメリットとデメリットをしっかりと比較して後悔のないようにすることは必要です。

SFCを取得した後にどういった使い方をしたいのか。
それは他の方法で置き換えられるものではないか。

「元を取る」という発想が先に来てしまうと、正直微妙な人も多いかと思います。

ただ一つ言えることは、自分はSFC修行という世界を知ってよかったと思いますし、SFCを取得できてよかったと心の底から思います。取らせてくれた奥様に感謝しています。
飛行機自体そんなに好きじゃないな・・・という人だった自分を、飛行機に乗っている時間が楽しくて、機種調べたりシートマップ見てニヤニヤしたり空想で旅行してワクワクしたりして、飛行機乗ることが趣味ってのもアリだなと思わせるだけの魅力がSFC修行にはありました。

ポジティブなこと、ネガティブなこと、両方見てそれでも「やりたい!」と思える人が増えることを自分は願っています。

SFC修行は、とっても楽しいですよ。