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グッドバイブス ご機嫌な仕事 レビュー

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倉園佳三著【グッドバイブス ご機嫌な仕事】のレビュー記事です。

全体の感想まとめ

・グッドバイブス=いい思い。「働いている時間、めっちゃ楽しい!」と思えるようにするためのヒント集
・アドラー心理学の考え方に近いところが多いと思う。
・ご機嫌な仕事のためには他人を許すことが必要だが、そのためにはまず自分を許すことが必要である。

自分の中で、今はあまりないけど昔はあったなという感覚に「仕事を楽しいと思ってはいけない」というものがありました。本書はそれを、「仕事を楽しいと思っていい、楽しいことを仕事にしていい」という視点から見て、どのようにすればそれが実現可能になるか、ということを「グッドバイブス」「ひとつ意識」という特徴的な言葉を用いて解説しています。

レビュー詳細

 

全体を読んでの感想は、アドラー心理学に出てくる考えに近いところが多いな、と思いました。

本書を通してよく出てくる概念「ひとつ意識」は、アドラー心理学でいうところの「共同体感覚」と似ている概念かなと思います。
元々この世はひとつの共同体であり、その共同体の目的は「全体の幸せの総量を増やすこと」である、と記載されています。

仕事とは「誰かに貢献すること」の交換作業であり、「ひとつ意識」の中では、全体の幸せの総量を増やすことが目的になります。
お金は媒体に過ぎず、自分の仕事が生み出す価値を考えること、そしてそれを「受け取る人」のことを考えることが大切です。

元々ひとつの共同体であり、全体の幸せの総量を増やすことが目的である「ひとつ意識」において、なぜ74億人もの人数が必要なのか。
それは、個性に基づく役割分担のためです。
この「個性」という言葉において、私たちは「長所」「短所」という言葉で一面的な見方をしてしまいがちです。一見するとマイナスにしか見えないような短所も、捉えどころを変えると長所になったりしますし、マイナスにしか思えない「短所」が、実は誰かの幸せを作っているということも多くあります。長所を伸ばして短所を埋めようとする、という一方向だけのアプローチではなく、多面的な見方ができる人でありたいなと思います。

「グッドバイブス」は「いい思い」と表現されていますが、つまるところこれは「ご機嫌」「いい気分」という状態に当てはまるかと思います。
グッドバイブスは光であり、バッドバイブスは闇である。そして、バイブスとは波のようなもので、自分1人をスタートにして、必ず周りに影響を与えていきます。

「ご機嫌な仕事」を実現するためには、「仕事とは、辛いものである」という、多くの人が固定的に持っているイメージを覆す必要があります。
そのイメージを壊すためのヒントとして「自分が得意なこと、好きなことを仕事にしていいと自分を許す」「いまいる場所で本気を出す」の2つが挙げられています。
そもそも自分の「好きなこと」が見つかっていないという人も多くいます。「あなたの好きなことって何?」と聞かれて、即答できるかと言えば今の自分にはあまり自信がありません。その程度にしか「好きなこと」を考えていないことって、結構あるんじゃないかなと思います。
そういう時、思い出す言葉があるのですが、誰の言葉だったか忘れましたが「どんなことでも突き詰めれば楽しいのだ。つまり、今自分が何かに対して楽しくないと思っているのならば、自分がその世界に浸かりきっていないというだけのことなのだ。だから、やるべきことはただひとつ。その世界に、全力で浸かることだ」という内容のものです。

好きなことが見つからないなら、まずは「いまいる場所」で目の前のことに本気で取り組め。

シンプルなこのメッセージは、明日の仕事に全力を出すためのプラスのエネルギーをもたらしてくれるなあと感じます。

「いい感じ」とは、どういう状態のことを言うのか。
それは、高いモチベーションやポジティブ全開の状態が続いていることを指すのではない。
「いい感じ」とは、心の中に恐れや不安がない状態のことをさす。
本書ではこのような内容で書かれていますが、これ読みながら思ったのは「自己肯定感」の概念です。自己肯定感の低い人は特に、自分の状態が良くない(=「いい感じ」ではない)ことを他人や環境のせいにしやすい、と感じますが、その根底にあるのは「自分が被害を被るのではないかと言う恐れや不安」であると考えるとしっくりきます。自分で自分の価値を認められていないから、被害を被る(と、思っている)ことでさらにそれが下がってしまうことを恐れていると言うことなのかなと思います。

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人は、起こった出来事にそれぞれ自分勝手に「意味付け」をしています。アドラー心理学でいうところの「認知論」がそれに当たりますが、人間は、自分の価値観というフィルターを通してしか世界を見ておらず、自分の好き勝手にしか世界を見ていないのです。それを知ることができたら、自分のフィルターはどのようなものなのかということを「選ぶ」ことができるようになります。
本書ではこれについて「意味付けを手放すことで、(思い込みから逃れた)本来の姿が見える」としています。それと同時に、「意味付けは、自分の好きなように変えられる、選択できる」ということも言えるのではないかと思います。

8章では「いまここ」の概念が語られています。過去、現在、未来のうち、存在できるのは「現在」だけであり、未来に希望を持つことも過去を振り返ることも大切ですが、そこにとらわれてしまうと「ひとつ意識」からは遠ざかってしまいます。
全ての不安は「未来」から生まれます。「いまここ」から離れてしまった時、いま現在やっていることは単なる「作業」になりご機嫌な仕事からは遠ざかってしまうことになります。「億万長者になる」といったような未来への希望は、行動を起こした結果の姿を描いているだけで、それ自体が具体的な行動にはなっていません。だからこそ、「どんなアクションを取るか」というところに立ち返る必要があるのかと思います。

行動するためには「罪悪感」を手放す、と決めること。誰しも間違いはあるものだが、それを「罪」と捉えると「罰」を受けなければならないと捉えてしまい、行動にはマイナスの影響を及ぼすことになる。
でも、人は時に「罪悪感を持たなければならない」くらいに思ってしまうものだなと思います。他人に対しても、間違ったことに対していつまでも「反省しろよ」とか思ってしまうし、難しい側面があります。
そういう時に自分に問いかけて見たい問いは「もしその罪悪感を手放したとして、間違いを修正したい自分がいるか?それとも、悪事を働き続けたい自分がいるか?」ということです。多くの場合は、実は前者になるんじゃないかと思うんですよね。
でも多くの人が、自分に対してそれができないので他人にもできず「罪悪感を感じていないと、間違いを修正しようとしない」と捉えてしまうのではないかと。その結果、自分を許すことも他人を許すこともできなくてマイナスのエネルギーになっていってしまう、と。
アドラー心理学でいうところの「幸福の条件」の中に「自己受容」「他者信頼・他者貢献」があります。まずは自己受容=自分を許す、ということをやっていくことが、他人にそうするための一歩であり、「いい感じ」「ひとつ意識」を作っていくためのヒントになるのではないかと思います。

全体を通しては、本書にあるような「いい感じ」で働くことができたら、楽しいだろうなあーという感覚がありました。
まずは、「楽しく仕事してもいいんだよ」ということについて、自分で自分に許可を出すこと。
次に「自己受容」。この2点を参考に、楽しく仕事をするということをやってみようと思いました。