SFC修行

アップグレードポイントのもらい方と使い方

2016年9月11日

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ANAのプレミアムメンバーになると「アップグレードポイント」というポイントがもらえます。

どういう基準でもらえるのか、何に使うのか、考察を含めて解説します。

アップグレードポイントとは何か

まず、アップグレードポイントとは何か。

1月~12月のANAグループ運航便のご利用で獲得されたプレミアムポイント数に応じて、翌年度のプレミアムメンバーにプレゼントする特別なポイントです。お客様の空の旅がさらに満ち足りたものになるよう、座席クラスのアップグレードやラウンジのご利用などに、お使いいただけます。

アップグレードポイントとは|プレミアムメンバーサービス|ANAマイレージクラブ

公式ページにはこのように記載されています。
事前サービスの説明で、アップグレードポイントは事前サービスでは使えない、という記載もあるのですが、「1月~12月の利用に対して翌年度に使用できる分が付与される」というタイミングなので、正確には「事前サービス中に使用できるポイントが存在していることはない」という方が正しいのかもしれません。

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獲得したプレミアムポイントに応じて、上図のようにアップグレードポイントが付与されます。
この時の「翌年度のプレミアムメンバー」は、ダイヤモンド、プラチナ、ブロンズ会員にスーパーフライヤーズ会員(以下、SFC会員)も含みます。

一般的な、いわゆる「SFC修行」を終えた人の場合は20ポイントに該当することがほとんどなのではないかと思いますね。
ここで対象となるのは「ANAグループ運航便」でのプレミアムポイントなので、スターアライアンス加盟航空会社の便でプレミアムポイントを稼いだ場合には、もう少し下がる可能性もあります。

2016年に修行を終えた人は2017年3月31日までプラチナ事前サービス中なので、2017年4月以降にアップグレードポイントが使用可能になる、ということになります。

アップグレードポイントは、翌年度1年間(4月1日~翌年3月31日)のみ有効で、持ち越すことができません。つまり1年間で使い切らないといけません。

それとちょっとわかりづらいのは、SFC会員の扱いについて。

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公式ページには、以上のような記載があります。

ダイヤモンド・プラチナ・ブロンズメンバー「かつ」スーパーフライヤーズ会員の場合は、さらに一律4ポイントがプレゼントされる。

そしてその下、アップグレードポイントでもう一つ大切なポイントとして「アップグレードポイントプレゼントはSFC家族会員は対象外」というものがあります。
これは「ダイヤモンド・プラチナ・ブロンズかつSFC会員」への「一律4ポイント」の部分だけではなく、アップグレードポイント自体のプレゼントを指します。
ここは、SFCの本会員と家族会員の差の一つと言えます。

具体的な事例を挙げると、こういうことになります。

2016年7月10日に50000PPに達するフライトを終え、すぐにSFCを申し込んで7月23日にSFCが届いたRomulusさんは、翌年度「プラチナ会員かつSFC会員」です。
ANAグループ運航便のプレミアムポイントは、40000PPを超えていました。
Romulusさんは妻のRomu子さんに、SFCの家族カードを発行してもらいました。

ここから2016年は全くフライトしませんでした。この場合、2017年4月1日~2018年3月31日に使用可能なアップグレードポイントが20ポイント+4ポイント付与されます。
Romulusさんは翌年度「プラチナ会員かつSFC会員」だからです。
さらに2017年、Romulusさんはマイルを使って特典航空券でRomu子さんと一緒にANAグループ運航便に搭乗しました。しかし諸般の事情で、2017年のフライトはこの1回だけで終わってしまいました。
この場合、2018年度(2018年4月1日~2019年3月31日)に使用できるアップグレードポイントの付与はありません。
2018年度は「ダイヤモンド・プラチナ・ブロンズメンバーかつSFC会員」ではなくただの「SFC会員」であり、プレミアムポイントが0の場合のアップグレードポイント付与数は0だからです。
2018年、Romulusさんは今度は陸マイラー活動で貯めたマイルをANA SKY COINに交換してこれを元に航空券を購入し、1回だけ新千歳⇔那覇のプレミアム旅割28でRomu子さんと旅行をしました。この時積算されるプレミアムポイントは、往復で7784PPでした。
この場合、2019年度(2019年4月1日~2020年3月31日)に使用できるアップグレードポイントが4ポイント付与されます。ただのSFC会員ではありますが、プレミアムメンバーだからです。
ただし、「ダイヤモンド・プラチナ・ブロンズメンバーかつSFC会員」ではないため、さらに一律4ポイントのプレゼントはありません。
そしてRomu子さんは、このどのパターンにおいてもアップグレードポイントの付与はありません。家族会員には、アップグレードポイントの付与はないからです。

このへんよくわからなかったのでANAさんにメールで問い合わせてみた結果が上記の内容だったのですが、問い合わせてから1時間で返答がありました。
何回かメールでめんどくさい問い合わせでANAさんには迷惑をかけているのですが、いつも非常に迅速に答えていただいています。
ANAさんいつもありがとうございます。

アップグレードポイントの使い道

では、付与されたアップグレードポイントは何に使うことができるのか。
大きく分けると以下の3つです。

・座席クラスのアップグレード
・ラウンジの利用
・ANA SKY COINへの交換

それぞれ見ていきましょう。

座席クラスのアップグレードに使う

座席クラスのアップグレードでは、国内線は普通席からプレミアムクラスへ、国際線はエコノミークラスからビジネスクラス、またはビジネスクラスからファーストクラスへのアップグレードに利用することができます。
エコノミークラスからファーストクラスにはアップグレードできません。

国内線の場合。

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国内線の場合は非常に簡単、理解しやすいです。
どの路線、どの運賃形態の場合も、1区間一律4アップグレードポイントでプレミアムクラスへアップグレードできます。特典航空券での利用もOK。
ただし、当日空港で空席があった場合のみです。

プレミアムクラスの利用は、長距離路線であればあるほど恩恵が大きいので、できれば羽田⇔伊丹みたいな短距離ではなく、新千歳⇔那覇とか羽田⇔石垣のような長距離でのアップグレードに利用したいところです。
・・・が、このへんの路線を当日アップグレードするのはなかなか難易度が高いでしょうね。運がよければ、程度に考えておいた方がよさそうです。

国際線の場合。

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国際線の場合、路線と利用するクラス(ビジネスorファースト)によって必要なアップグレードポイント数が異なります。
得られるメリットのことを考えたらこっちの方が恩恵が大きそうですね。

・・・が。ここには大きな落とし穴が。

あらかじめ、アップグレード特典をご利用になる全区間の予約済み航空券をご用意ください。対象になる予約クラスの場合に限り、アップグレードをお申し込みいただけます。

サービス詳細|空の旅をゆったりと|プレミアムメンバーサービス|ANAマイレージクラブ

対象になる予約クラスの場合に限り、アップグレードをお申し込みいただけます。
この「対象になる予約クラス」ってのが曲者で、検索した場合に「Plus」ってのがつくやつ(アップグレード可能運賃)で、エコノミーの場合だとY/B/E/M/Uがそれにあたります。
これ以外の予約クラスだったり特典航空券だったりだと対象外という厳しい条件です。

この「対象となる予約クラス」の運賃って、最安の運賃に比べるとかなり高いんですよねー。
一番効率よくポイントを使えるとすると、「Super Value Plus」で安く設定されている路線を狙うか、プレミアムエコノミーの運賃(=予約クラスが対象クラスのEとかになる)で適用させるというところが落としどころのようです。
ただまあ、時期と路線によって大きく価格が異なるので、いい感じのが見つかるかどうかは微妙そうです。
パッケージツアーとかで使うことができれば一番いいんですけどね。
ダイヤモンド会員であれば、必要ポイント数の2倍を支払うことでこれができるんですけども、にわかプラチナ会員の自分には関係のない話でした。

ラウンジの利用に使う

ラウンジの利用にも、アップグレードポイントが使えます。
ブロンズ会員の場合は本人用としても使えますがプラチナ以上の場合本人と同行者1人は無料で使えるので、同行者2人目とか本人が同行しない家族用ですね。
本人が同行しない場合でも、特典利用者登録をした2親等以内の親族であれば利用可能です。

国内線の場合は2アップグレードポイントで、ANAラウンジが使えます。
国際線の場合は、日本発のANAかスターアライアンス加盟航空会社の便の場合で、ANAラウンジが3アップグレードポイント、ダイヤモンド会員で同行者2~4人目にANA SUITEラウンジが4アップグレードポイントで使用可能になります。

海外発の国際線とか成田のアライバルラウンジの場合は同行者2人目以降は利用できません。ブロンズ会員の場合は本人も無理です。
このへん、コードシェア便とかの兼ね合いもあっていろいろ条件があるので、その時の便と自分のステータス、同行人数を見て決める必要があるでしょうね。

ANA SKY COINに交換する

一番手っ取り早くて確実な使い道がこれです。
プレミアムメンバーになって「MYキャンペーン」を見ると、その年度分の交換を申請することができます。
「キャンペーン」と書いてはいますが、使い道の説明のところに出ていることを見るとずっと行われるものではあるんでしょうね。

1アップグレードポイントを1000SKY COINに交換することができます。

つまりは1アップグレードポイントを1000円相当で航空券購入にあてることができるということですね。

1アップグレードポイントあたりの価値はいかほどか

それぞれの特典に使った場合の、アップグレードポイントの価値を考えてみます。
例えば国内線のプレミアムクラスへのアップグレードに使ったとすると、通常の当日アップグレードが9000円なので1アップグレードポイントあたり2250円相当の価値になります。
ラウンジは基本的に、元々お金を払って利用できるものではない(羽田空港はちょっと例外ですが)ので価値の換算が難しいですね。
SKY COINへの交換は1アップグレードポイントあたり1000円相当の価値なので、ギリギリまで使い切れなかった時の救済措置、というのが正直なところかもしれません。

最も価値が高くなるのは、やはり国際線のアップグレードです。
てきとうにある日の便を検索した結果ですが、
羽田→ロサンゼルスのエコノミー(Basic plus)が237880円、
ビジネスクラス(Value plus)が373880円でした。
アップグレードできないエコノミー(Super Value)が115880円です。
Basic plusからアップグレードしたとすると、1アップグレードポイントあたり13600円相当の価値になります。
ビジネスクラスのチケットを、本来よりも安く手に入ると考えられるかどうか。このへんが分かれ道になりそうですね。
後は安くアップグレードできる路線をどれだけリサーチできるか、でしょうか。

まとめ

アップグレードポイントは、プレミアムメンバーでなければ知ることのない世界です。フライト数がそこそこないとあまり付与もされないので微々たる差、ということもありそうですが、当日アップグレードでプレミアムクラス利用、といったようなちょっとした贅沢には有効そうです。

まあ、最悪SKY COINに交換すれば無駄にはならないので、1年間使う機会をじっくり探っていけばいいんではないでしょうか。

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