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海外用プリペイドSIM「Mighty SIM」使用レビュー

2016年11月25日

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2016年6月に中欧4ヶ国旅行に行った時に、データ通信の方法として海外用プリペイドSIM「Mighty SIM」を使ってみました。

購入から使用までの流れや所感などについて残してみます。

Mighty SIMとは何か

Mighty SIMとは、事前にSIMカードにデータチャージし、海外でデータ通信を行うことができるという「海外用プリペイドSIM」の一つです。
利用にはSIMフリーのスマートフォンが必要になりますが、格安スマホが徐々に勢いを増している現在、海外でデータ通信手段を確保する手段として有用になってきているかと思います。
以前に海外でデータ通信の手段を確保するための方法として比較した内の一つです。

www.romulus-k-anaume.net

Mighty SIMには、従量制の料金体系はなく、渡航先に応じたZone1、Zone2、Zone3という区分それぞれに設定されたパック料金のみの設定です。

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mightysim.jp

Zone1がヨーロッパ33ヶ国、Zone2がそれに日本・中国・アメリカ合衆国・オーストラリアなど26ヶ所の国・地域を加えた範囲、Zone3がさらに韓国、インドネシア、フィリピン、ベトナムなどが加わった範囲です。
※Zoneの国一覧、料金は2016年11月13日現在のものです。
<Zoneごとの国の詳細>
Zone1・・・アイスランド、アイルランド、イギリス、イタリア、エストニア、オランダ、オーストリア、キプロス、ギリシア、クロアチア、ジブラルタル、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベルギー、ポルトガル、ポーランド、マルタ、モナコ、ラトビア、リトアニア、リヒテンシュタイン、ルクセンブルク、ルーマニア
Zone2・・・(Zone1の国に加えて)アメリカ合衆国、アルゼンチン、イスラエル、インド、ウクライナ、エジプト、オーストラリア、カタール、カナダ、シンガポール、タイ、トルコ、ドミニカ共和国、パラグアイ、ブラジル、プエルトリコ、ホンジュラス、マレーシア、メキシコ、モルドバ、モンテネグロ、ロシア、中華人民共和国、台湾、日本、香港
Zone3・・・(Zone1、Zone2の国に加えて)アフガニスタン、アルバ島、アンギラ、アンチグアバーブーダ、インドネシア、ウガンダ、ウルグアイ、エクアドル、エルサルバドル、オランダ領アンティル諸島、ガイアナ、ガーナ、キュラソー、グアテマラ、グアドループ、グレナダ、ケイマン諸島、ケニア、コスタリカ、コロンビア、サウジアラビア、サンバルテルミー、サンマルタン、ジャマイカ、スリナム、スリランカ、セルビア、セントクリストファー・ネイビス、セントビンセントおよびグレナディーン諸島、セントルシア、タンザニア、タークス諸島・カイコス諸島、チリ、トリニダード・トバゴ、ドミニカ国、ナイジェリア、ニカラグア、ニュージーランド、バハマ、バルバドス、バーミューダ諸島、パナマ、フィリピン、ベトナム、ペルー、マルティニーク島、モロッコ、モントセラト島、ルワンダ、仏領ギアナ、南アフリカ、大韓民国、英領バージン諸島

Zone1のヨーロッパ33ヶ国が渡航先の対象に含まれるなら、通信量によってはグローバルWi-FiやイモトのWi-Fiなどに代表されるようなWi-Fiルータのレンタルよりも安価にすみます。
基本はホテルなどのフリーWi-Fiを利用し、街中でちょっとGoogle mapを見る、という程度に使うなら、500MBあればまあ十分かな・・・という場合が多いかと思いますので。逆に、1日あたりの使用量をあまり気にしたくない、というような場合にはWi-Fiルータレンタルが主な選択肢になるでしょうね。
Zone2、Zone3の料金になるとそこまでお得でもないかな、という金額になってきます。このあたり、渡航先によっては、他の海外用プリペイドSIMの方が安くすむということもあるかと思いますので、このあたりは要比較・要検討ですね。

Mighty SIMを選んだ理由

数あるデータ通信確保の手段の中で、海外用プリペイドSIMを選んだ理由。
そしてその中でもMighty SIMを選んだ理由についてですが。

自分の中での検討の結果・・・
・キャリアの海外ローミングサービスは最も簡単だが高く付く。
・Wi-Fiルータのレンタルは、ただでさえ多い荷物にさらに荷物が増えることに抵抗がある。また、レンタル品なので盗まれたりとかすると面倒。さらに今回複数国の渡航なのでそれに対応したプランにすると料金がそこそこ高くなってしまう。
・現地でのプリペイドSIM購入は言語・時間などの面でハードルが高い。特に自分の場合パッケージツアーで自由行動も少ないので、そもそも買う暇がおそらくない。

以上のような理由から、日本にいる内から購入・使用準備ができる海外用プリペイドSIMをメインに検討することにしました。

海外用プリペイドSIMは、Mighty SIM以外にも複数の種類がありますが、今回これを選んだ理由は大きく2つありまして
・導入費用が安く、Amazonでサクっと買える
・渡航先がヨーロッパ、かつ複数国渡航で全てZone1に該当
というのがそれです。

他の海外用プリペイドSIMだと、SIMカード自体で2000円~3000円くらいするものも多いのですが、Mighty SIMはその点飛びぬけて安く、1000円を切る価格です。
自分が購入した時は690円でした。ルータとセットになっているものもあります。

なおかつ、今回行く予定の中欧4ヶ国、オーストリア、ハンガリー、チェコ、スロバキアは全て区分として一番料金の安いZone1に該当しています。
導入費+通信量のバランスが取れていそうだな、というのがその理由。

もう一つ大きかったのが「複数国の渡航」という問題。
Wi-Fiルータのレンタルでも複数国にまたがって使用する場合に「周遊プラン」といったプランが用意されていることも多いのですが、1ヶ国の渡航に比較して結構お値段が張ります。
現地でプリペイドSIMを購入する場合も、基本的にはその国内のみでの使用となります。
ローミングできるSIMカードもなくはないですが種類が限られていたり料金があまりお得でなかったりと難点が多いので、ヨーロッパ周遊の場合にはMighty SIMがいいんじゃないかという結論に達しました。

Mighty SIMのチャージ方法

購入後、SIMカードの台紙と取り出し用のクリップ、取扱説明書がセットになったパッケージが届きます。かなり簡素なものです。
また、取扱説明書は公式ページの一番下、「サポート」にある「マニュアル(取扱説明書)」からも見られます。

f:id:romulus_k:20161113184242p:plainSIMカードは全サイズ対応。標準SIMならそのまま使い、microSIMまたはnanoSIMの場合は、あらかじめその大きさに合わせて切れ込みが入れてあるので端末に合わせて周りを取って使う形です。

SIMカードの台紙には「SIM ID」が書いてあるので、それを使ってWEBからチャージを行います。
公式ページの「リチャージする」→「今すぐチャージ」をクリック

f:id:romulus_k:20161113184305p:plain「SIMカードをリチャージ」画面になるので、台紙に書いてあるSIM ID13ケタを入力し、「プランを選択」をクリックします。

f:id:romulus_k:20161113184320p:plain購入するZoneを選択します。
ヨーロッパはZone1ですが、日本で渡航前に接続テストを行う場合にはZone2の購入が必要です。

f:id:romulus_k:20161113184340p:plain購入するデータ量を選択します。

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利用開始日を設定します。通常あまり気にすることはないかと思いますが、利用期限はチャージした日から30日間です。日本時間ではなくUTC(協定世界時)=日本からマイナス9時間、が基準になります。

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ちなみにこの時、アカウントを設定していない状態だとこの下に「アカウントを作成する」という形でメールアドレスやパスワードを設定する欄が表示されます。
アカウントを作成しログインすることでデータ使用量やリチャージの設定、アラートの設定などを確認できるので設定しておくといいかと思います。

「Next」をクリックすると、選択したプラン、有効期間、合計の料金が表示されます。

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この後「チェックアウトに進む」をクリックすると支払い画面に移行します。
支払いにはPayPalや各種クレジットカードが利用できますが、PayPalやアメックスでの支払いは手数料が生じるのでVISAかMasterでの決済がお勧めです。JCBは使用できません。

支払い手続きが完了すると、1分以内にチャージが開始され利用可能な状態になります。

Mighty SIMの使用方法

チャージが完了したら、APNの設定をして使用を開始します。
自分の場合、使用した端末がAndroidの「Priori3S LTE」だったので何の問題もありませんでしたが、iOSだと現在設定されているプロファイルを一度削除し、公式ページにアクセスした後にプロファイルをダウンロードしないといけないようです。
ただこのあたりは、取扱説明書の記載に従って設定すれば問題ないかと思います。

後はローミング設定をオンにすれば特に何も設定しなくても、自動的に通信事業者を選んで接続します。
Zone2かZone3を購入した場合に限り、日本でも接続できるのでテストもできます。実際にやったところ、ソフトバンクに繋がったりドコモに繋がったりしていました。

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手動で選択すればこのような事業者の選択画面になります。

日本で渡航前に接続テストを行いたい、というのはある程度ニーズがあるかと思うのですが、そのために一旦高いZone2のプランを購入しなければならないというのはちょっとマイナスポイントですね。

渡航先でも同じような形で、基本的には通信事業者の選択を気にすることなく接続が可能でした。
国をまたいだ場合にも特にストレスを感じることなく、気が付いたら別の通信事業者に接続されている、というような状況でした。
ただこれは、国境付近で連続して通信を行っているわけではないということも大きいかなと思います。
接続が不安定な場合は、Androidの場合「設定」→「モバイルネットワーク」→「通信事業者」から手動で通信事業者を選択することもできます。

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これはウィーン・シュベヒャート国際空港に到着直後に通信事業者を選択してみた時の画面ですね。日本の場合と同じように、それぞれの通信事業者が一覧で現れます。
自分の場合、通信事業者の手動選択後にデータ使用量が数十MB単位で少なくなっているという現象が発生しました。
選択の際に結構な接続を試みているためなのか他の要因なのかわかりませんが、注意が必要かもしれません。

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アカウントにログインして接続すると、データ使用量を確認することができます。

注意点としては、このページへの接続にもプラン内のデータが必要らしい、ということです。

上の状態は最初にチャージした200MBのZone2のプランを使いきった状態なのですが、このページを表示するためにはホテルのWi-Fiに接続する必要がありました。
同様に、ここからリチャージをする場合にも何らかの手段でMighty SIMの公式ページへのアクセスをしなければなりません。
最近ではフリーWi-Fiが通っているところも多く、また通信量が完全にゼロになる前にリチャージしておけばいい話なのでそれほど問題にはならないかもしれませんが、せめてチャージ画面くらいはデータ量の残りがゼロでもアクセスさせてほしいものだなあと思いました。

また、本来であれば「大容量バッテリーのPriori3S LTEでテザリングをしつつ、iPhoneで接続」というのを考えていたのですが、テザリングの状態にすると特に接続もしていないはずなのにガンガン容量が減っていくという状態になってしまい、使用できませんでした。
その後Priori3S LTEのみでGoogle mapを使用したり、というのには特に問題なかったので、テザリングだと問題が発生するのかもしれません。アプリのバックグラウンド更新だとかそのあたりの設定は切っていたはずなのですが・・・

まとめ

接続自体に特に問題はないので、ヨーロッパの周遊旅行には適していたかなあと思います。
購入の手続きやリチャージ等も、渡航前に一通り設定しておけばストレスなく対応できます。

Zone2の料金はそこそこ高いので、事前に日本で接続テストを試みたい、という場合には、渡航先によっては他の海外用プリペイドSIMも検討の余地に入るかと思います。

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