SFC修行

スーパーフライヤーズカード(SFC)とは何か。「一生上級会員」の魅力

2016年9月5日

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一旦取得してしまえば永久に上級会員!
ANAのスーパーフライヤーズカードとは何か。
どうやってなるのか。なったら何が得られるのか。
解説していきます。

ANAマイレージプログラムのプレミアムメンバー

ANAのマイレージプログラム「ANAマイレージクラブ(AMC)」には、ブロンズ会員、プラチナ会員、ダイヤモンド会員という上級会員(プレミアムメンバー)のシステムがあります。

プレミアムメンバーサービス│ANAマイレージクラブ

これらは全て「プレミアムポイント」というマイルとは別のポイントを貯めることによって得られる資格です。
毎年1月~12月の間に獲得したプレミアムポイントが一定の数を超えると上級会員となり、翌年度(翌年4月~翌々年3月)まで資格が得られます。

www.ana.co.jp

<例>
2016年1月から12月までの間に30000プレミアムポイントを獲得
→2017年4月から2018年3月まで「ブロンズ会員」の資格が得られる

積算対象の期間は「暦年」なのに対して会員資格は「年度ごと」です。
また、年の途中で獲得条件を満たした場合、そこから翌年度の資格スタートまでは「事前サービス」という「ほぼ本サービスと同じ上級会員」という状態になります。実質「達成した時から翌年度末まで上級会員」というわけです。
ただし、3月までに達成した場合も事前サービスの開始は4月に入ってからです。
ANA公式ページでは「4月中旬から」となっていますが、実際にはもう少し早めにスタートするようですね。

<例>
2016年7月の時点で30000プレミアムポイントを獲得
→2016年7月から2017年3月までは「ブロンズ事前サービス」となる
2017年4月から2018年3月まで「ブロンズ会員」となる
ここからさらに搭乗し、2016年9月の時点で50000プレミアムポイントを獲得した場合→2016年9月から2017年3月までは「プラチナ事前サービス」となる
2017年4月から2018年3月まで「プラチナ会員」となる

プラチナ・ダイヤモンドメンバーだけが申し込むことができるカード

そして重要なのは、プレミアムメンバーの内、プラチナ会員とダイヤモンド会員の期間中だけ「スーパーフライヤーズカード(以下、SFC)」という特別なANAカードに申し込むことができる、ということです。
この期間には、事前サービスの期間も含みます。

そしてこのSFCを持っている場合「SFC会員」として、プラチナ会員とほぼ同等のサービスを受けることができるのです。
年会費はかかりますが、このカードを持っている限り(+制度の改悪がない限り)永久に上級会員の資格が得られる、ということになります。

クレジットカードであるため所定の審査があり、審査落ちのリスクもありますが、あらかじめSFCに切り替え可能なカードを所持しておくことで回避できます。
切替可能なカードを持っていれば「いざ50000プレミアムポイントを稼いだのに、審査に落ちて苦労が水の泡」という心配がなくなります。

ちなみにANAカードは最大で8枚持つことができます。
その中にはSFCへの切り替えができず新規申し込み、という形となる(=審査があり落ちるリスクがある)ものもありますので、注意が必要です。

SFCで得られるメリットとは

では、このSFCによって得られる特典には、どのようなものがあるのでしょうか。

www.ana.co.jp

たくさんあるので、補足をしつつ一つずつ見ていきましょう。

・プレミアムメンバー専用デスク
問い合わせの電話をする場合に普通よりつながりやすい専用のデスクがあります。
メンバー専用デスクの番号には複数種類あり、ANAカード保有者用デスク、ブロンズデスク、プラチナデスク、スーパーフライヤーズデスク、ダイヤモンドデスクといった形でステータスにより分けられています。
電話をかけた際にAMCのお客様番号とAMCパスワードを入力することで、自動的に振り分けられます。
検証記事:プレミアムメンバーデスクに電話すると、どこに繋がるか?

・空港ラウンジの利用
空港内に設置された「ANAラウンジ」や「スターアライアンス加盟航空会社ラウンジ」を使うことができます。
ビールや焼酎などが飲み放題だったり、国際線だと食事ができたりするほか、多くの場合保安検査場を通った後にあるので搭乗までの時間を直前までゆったりと過ごすことができます。
また本人だけでなく、同行者1名まで一緒に利用することができます。

・座席クラスのアップグレード
前年の搭乗実績に基づいて毎年の年度末に付与される「アップグレードポイント」というポイントを使って、座席をアップグレードすることができます。

・プレミアムエコノミーへの無料変更
国際線でプレミアムエコノミーの設定がある路線の場合、空席があれば無料でエコノミーからアップグレードできます。
国際線を通常予約した場合、路線によってはエコノミーとプレミアムエコノミーで10万円以上運賃が異なることもあるため、空席があり次第という条件付きではあるものの大きなメリットであると言えます。
※プレミアムエコノミーへの無料アップグレードは2019年9月30日搭乗分をもってサービス終了となりました。

・国内線座席指定の優先
指定できる座席数が増え、より前方まで指定できるようになります。
指定できる範囲はブロンズ会員→SFC会員→プラチナ会員→ダイヤモンド会員の順に増えると言われています。
検証記事:優先された「国内線座席指定」で、どこを選ぶべきか

・予約時の空席待ちの優先
一般会員よりも、満席の場合の空席待ちが優先されます。
一般会員が既に50人並んでいたとしても、空席が生じたら優先的に割り当てられます。

・空港での空席待ちの優先
空港でも同様に、空席待ちの場合の割り当てが優先されます。

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優先順位は種別によって上の図のように分けられます。
上の種別から順番に呼ばれるため、既に種別Bに50人待ち人数がいても、後から来た1人の種別Aが先に呼ばれる、ということになります。

ダイヤモンド会員が優先されるのは当然とも言えますが、実はこのような種別になったのは割と最近で、2015年9月30日からです。
プラチナ会員、SFC会員だけでなくその一段階下のブロンズ会員、スターアライアンスシルバー会員も同列に扱われるところも特徴です。
検証記事:空席待ち優先におけるSFC会員のメリットとは

・国際線特典航空券の優先
一般会員よりも、国際線特典航空券の座席数が広く開放されます。
また空席待ちになった場合も、優先して割り当てられます。

ANAは特に、マイルを貯める手段が多く、特典航空券への交換が難しいとよく言われています。SFCを持つことで、マイルを使った特典航空券を取りやすくなります。
ちなみに国内線は、通常の会員と差はありません。
関連記事:ANAはとにかく国際線特典航空券が取れない
ANA国際線特典航空券を確保するためのテクニック

・優先チェックインカウンター
専用のチェックインカウンターで搭乗手続き、手荷物の預け入れができ、スムーズにチェックインできます。
国内線の場合、羽田空港、成田空港、伊丹空港、関西空港、神戸空港、新千歳空港、中部国際空港、福岡空港、那覇空港、小松空港、広島空港、宮崎空港、鹿児島空港に設置されています。
詳細記事:「優先チェックインカウンター」においてできること

・手荷物受け取りの優先
預けた手荷物に優先の印字またはタグが付けられ、一般会員よりも先に出てきます。

・手荷物許容量の優待
一般会員よりも、預け入れる手荷物の重量や個数が優遇されます。
詳細記事:SFC特典の手荷物優先、手荷物許容量優待で怖いもの知らず

・専用保安検査場の利用
専用の保安検査場があり、一般会員より早く通過できます。
羽田空港、伊丹空港、新千歳空港、福岡空港に設置されています。
詳細記事:意外と少ないがメリット大きい「専用保安検査場」

・優先搭乗
一般会員よりも先に、飛行機に搭乗することができます。
事前改札(お子さん連れなど)→ダイヤモンド会員→プラチナ会員・SFC会員・スターアライアンスゴールドメンバー→その他の搭乗客、という順番で優先されます。
詳細記事:「優先搭乗」のメリットを考察してみる

・マイカー・バレーの優待(成田空港)
成田空港に車で向かう際の提携駐車場について、優待料金で利用ができます。

・羽田空港駐車場の優先予約
羽田空港第3駐車場の予約において、ターミナルに近い専用エリアを優先的に利用できます。

・香港国際空港の優先レーン
香港国際空港の出入国手続きにおいて、フリークエントビジターeチャンネルという優先レーンを使用できます。
初回は香港到着時に登録申請が必要となるため、複数回香港を訪れる場合にメリットを発揮する特典であると言えます。

・フライトボーナスマイル
一般カードで35%、ゴールドカードで40%、プレミアムカードで50%のボーナスマイルが付きます。

・マイルからANA SKY COINへの交換倍率優遇
航空券やツアー代金の支払いに使うことができるSKY COINへ優遇された交換倍率で交換することができます。

交換倍率は以下のような形で
①プレミアムメンバー(ブロンズ・プラチナ・ダイヤモンド)
②SFC会員・ANAカードプレミアム会員、ANAゴールドカード会員
③ANAカード会員、AMCモバイルプラス会員
④ANAマイレージクラブ会員
の4段階に分かれていて、一度に交換するマイル数によって倍率が変動します。

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ANA SKY コイン | ANAマイレージクラブ

・アップグレードポイントからANA SKY COINへの交換
アップグレードポイント1ポイントを1000SKY COINへ交換することができます。

・IHG・ANA・ホテルズグループジャパンでの優待
インターコンチネンタルホテルズグループ(IHG)とANAの共同ブランドホテル、ANAホテルを利用した場合、宿泊料金の割引やホテル内レストラン・バーの割引、朝食無料サービス、ウェルカムドリンクサービスなどの優待を受けることができます。
一部のサービスは会員料金での予約が必要で、旅行代理店などからの予約では優待を受けられません。

・SFC会員オリジナルネームタグ
入会した初年度に、オリジナルネームタグが贈られてきます。

・プレミアムメンバー限定ANAセレクション
マイルからさまざまなアイテムやサービスに交換することができます。

・ライフスタイルマガジン「ana-logue」
2016年3月28日まで発行されていた「ANA AZURE」に代わって発行されている、プレミアムメンバー向けのライフスタイルマガジンが年に3回贈られてきます。

・会員限定手帳、カレンダーのプレゼント
毎年7月31日までに申し込みをすると、年末に翌年分の手帳・カレンダーが贈られてきます。
どちらも受け取らない設定をした場合には12月初旬に500マイルが積算されます。

以上、これだけのサービスが、クレジットカードの年会費を払い続けるだけで一生受け続けることができるのです。
飛行機に乗る回数が多ければ多いほど、メリットを享受することができます。

SFCの家族カードの威力

そしてさらに特筆すべき点は、SFCには家族カードが存在するということです。
一旦SFCを所持すればいつでも家族カードを作ることができ、家族カードでも上に挙げた特典を受けることができます。
手帳やカレンダー、アップグレードポイントといった本会員のみのサービスもありますが、ほとんどの特典は家族会員でも本会員同様に受けることができ、あまり大きな差はありません。

予約から空港滞在・搭乗などに関する一通りの恩恵は、家族カードでも受けられるのです。

家族の中で誰か一人がSFCを取得すれば、全員が特典を得られるというのは非常に大きなメリットであると言えます。
家族会員と本会員との違いについては、プレミアムメンバーサービスの事前サービスも含めて以下の記事で詳しく解説しています。

徹底解説!プラチナ本会員・事前サービス・SFC本会員・SFC家族会員の違い

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まとめ

SFCはほぼプラチナ会員と同等であり、多くのメリットを受けることができる。
SFCは一度所持すれば年会費を支払っている限り継続してメリットを受けられる。
SFCは、家族カードでもほぼ本会員と同じサービスが受けられる。

このあたりがSFCを取得する大きなメリットです。

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