SFC修行

「結局航空券は何月に買えば安いのか?」と思ったら読む記事

2017年3月20日

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このブログでは、各期間・あるいは各起点空港を基準にしたSFC修行向けの路線についてPP単価の一覧を掲載しています。
これらを追っていく上で見えてくる1年を通して様変わりする航空券の運賃設定について、2016年のプレミアム旅割28の設定を元に「いつ買えば安いのか」を、振り返って考察してみました。

運賃の差がありすぎてPP単価出せない問題

SFC修行において最も重要なことは何でしょうか?
もちろん人によっていろいろな答えがあるでしょうが、誰もが気になるのが「PP単価をできるだけよくしたい!」「安く快適に修行をしたい!」ということではないでしょうか。

誰だって、安く飛行機に乗れるなら、それに越したことはありません。
誰だって、快適に飛行機に乗れるなら、それに越したことはありません。

SFC修行を国内線で行う場合に、これらを両立するための第一選択が「プレミアムクラス」という存在です。プレミアムクラスは普通席とは比べ物にならないくらい快適ですし、1回のフライトで獲得できるプレミアムポイントも多くなります。

SFC修行は1年間でプレミアムポイントを50000獲得し、スーパーフライヤーズカードを発行するというものです。
じゃあ、プレミアムクラスでいろんなところへ行こう!1年かけていろんなところへ行こう!と思って調べてみると、ぶち当たる壁があります。

日によって運賃の差がありすぎて困る。

まあ当たり前の話ではあるのですが、夏は高いとか、そういう感じです。

プレミアムクラスでSFC修行を行いたいと思った場合に最初に検討する「プレミアム旅割28」の運賃発表は、大体搭乗日の2ヶ月~3ヶ月前に行われます。時に1年間フルに及ぶ長い戦いとなるSFC修行では、このプレミアム旅割28の運賃設定発表に右往左往させられるということにもなりかねません。

あらかじめ、ある程度「この時期はこのくらいの運賃か、ふむふむ」ということを知っておけば、PP単価があまり優秀でない時期に焦ってフライトして、合計の支出が増えてしまうということも少なくなるんじゃないか、と思いませんか?

その対策の一つとして先日、2016年のプレミアム旅割28の設定を元に「どの路線がSFC修行向きの設定となることが多かったか?」のランキングを独自基準で付けてみました。

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今回の記事では、この記事でランキング上位となった路線を中心に、年間の運賃設定の推移を見てみます。プレミアム旅割28に限った比較ではありますが、ある程度は旅割75などその他の運賃にも当てはめることができるのではないかと思います。

2016年プレミアム旅割28の運賃推移

今回、考察の対象としたプレミアム旅割28の設定の詳細は以下の通りです。
・各路線の代表となる便を1つ選択する。
・各便のプレミアム旅割28の設定について、プレスリリースの記載を元に月ごとの下限額・上限額を見る。
・比較対象として「PP単価10円」と「プレミアム株主優待割引」のラインを設定する。
・プレミアム株主優待割引の運賃設定は「通常期」「ピーク期」の2種類であるが、大まかに分けて3月、7月、8月、12月を「ピーク期」、それ以外を「通常期」として算出する。
・プレミアム株主優待割引は、株主優待券を2017年3月現在の大体の相場である1枚3500円を運賃に加算する。

注意点として、以下の点があります。
・1つの往復路線に対して代表となる便1つの設定のみを見ているため、同じ路線でも他の便だと設定が多少変わる可能性がある。
・グラフ上の傾斜は、時期による運賃の変化と必ずしも一致しない。
・対象便の使用機材について考慮していないので、実際にはプレミアムクラスのない機材で運航されていた可能性がある。

まあ、参考程度に、ということで見ていきましょう。

1.羽田~那覇

まずは、SFC修行と言えばこの路線。王道中の王道、羽田~那覇です。

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便番号 461
獲得PP 2860
年間最安値 ¥22,800(PP単価7.97円)
年間最高値 ¥43,500(PP単価15.21円)

2016年はなぜか2月だけ突出して運賃設定が高くなっていましたが、下限額についてはその後、安定してPP単価10円のラインを超えた優秀な設定が続いています。
4月の設定は特に優秀で、下限額と上限額の差がほとんどなく、唯一どちらもPP単価10円をラインを超えています。

2.羽田~石垣

続いてこちらも王道路線、羽田~石垣です。

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便番号 89
獲得PP 3460
年間最安値 ¥29,000(PP単価8.38円)
年間最高値 ¥53,200(PP単価15.38円)

7月8月を除いて、こちらも下限額は年間を通してPP単価10円のラインを超える優秀な設定が続いています。8月の上限額の高さと、11月12月の下限額の低さが際立って見えますね。

3.羽田~宮古

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続いて、羽田から沖縄3路線としてよく候補に挙がる羽田~宮古路線です。
便番号 87
獲得PP 3295
年間最安値 ¥21,100(PP単価6.40円)
年間最高値 ¥48,400(PP単価14.69円)

羽田~宮古路線は2016年4月からの就航路線なので、グラフは途中からの記載になっています。
羽田~石垣路線に似た運賃推移ですが、12月は特に下限額が低く非常に魅力的な設定だったことが伺えます。11月の設定も、下限額と上限額が同じ運賃で、かつPP単価10円のラインを超えていて狙いやすそうです。

4.新千歳~那覇

羽田~沖縄3路線に続いて、羽田(成田)~那覇~新千歳などのルートを取るいわゆる「三角フライト」で使われる新千歳~那覇の設定を見てみます。f:id:romulus_k:20170319144931p:plain
便番号 1693
獲得PP 3892
年間最安値 ¥30,200(PP単価7.76円)
年間最高値 ¥52,700(PP単価13.54円)

2017年3月現在、新千歳~那覇路線は国内における最長路線です。片道のフライトで3892PPを得ることができ、かつプレミアムクラスのシートやサービスを長時間受けることができるという魅力的な路線です。運賃設定についても、下限額はもちろんのこと上限額もPP単価10円のラインを切る設定の月が多く、非常に魅力的と言えるでしょう。

難点は何と言っても「プレミアム旅割28の予約が取れない」ということです。
1往復しか設定がない上に、プレミアムクラスの席数は8席。その内土日は特にプレミアム旅割28への設定席数が少なく、1席か2席ということがほとんどです。
2ヶ月+14日前の9:30にほぼ瞬殺、ということが最も多いと言っても過言ではないのではないかと思います。
もう一つ、この路線で特徴的なのは7月の設定です。プレミアム旅割28なのに下限額・上限額ともに運賃設定がかなり高く、株主優待券入手に3500円かかっていると計算しているプレミアム株主優待割引の方がPP単価が優秀になります。PP単価自体は12円程度とそれほど優秀ではなくなってしまいますが、プレミアム旅割28の予約の難しさ、プレミアム株主優待割引の使い勝手のよさなどを考慮すれば、羽田~沖縄3路線に比較しても「7月8月に、プレミアム株主優待割引で乗るとコストパフォーマンスがよくなる便」として最たるものと言えるのではないでしょうか。

5.成田~那覇

次に、羽田~那覇に続いて東京から沖縄へ向かうもう一つの路線、成田~那覇です。f:id:romulus_k:20170320065814p:plain
便番号 2159
獲得PP 2860
年間最安値 ¥15,400(PP単価5.38円)
年間最高値 ¥40,800(PP単価14.27円)

下限額の設定が年間を通して常にPP単価10円のラインを切っていて、安定した優秀な路線という印象があるグラフです。12月の設定は年間の最安値となっていて、PP単価5円台というあまり見られない優秀さです。
成田~那覇は1日1往復で、プレミアムクラスの設定席数は10席(運航機材が概ねB767-300)です。
成田空港を発着する路線では、他に成田~福岡や成田~新千歳などでPP単価の優秀な運賃設定がなされる場合が比較的多くあるのですが、これらの路線は時期によって運航機材がエアバスA320だったりボーイング737-500だったりと、プレミアムクラスのない機材での運航となる場合があって実際には利用できないこともあります。
成田~那覇は今のところ年間を通して同じ機材が使われているようですので常にPP単価を追いたい路線の一つとして挙げられるのではないかと思います。

6.新千歳~関西

次に、新千歳起点で関西地方に向かう場合に、2016年は最も優秀な運賃設定が多かった新千歳~関西の路線です。

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便番号 1711
獲得PP 2065
年間最安値 ¥17,000 PP単価(8.23円)
年間最高値 ¥36,200 PP単価(17.53円)

ここまで見てきた沖縄関連の路線に比較すると、プレミアム旅割28とプレミアム株主優待割引の差が大きくて「プレミアム旅割28で行くなら効率的だが、プレミアム株主優待割引で行くとガクッと効率が落ちる」という印象のあるグラフです。
この路線、実際に自分が2016年SFC修行において4月と5月に4往復ほど乗りましたが、この時期の設定は年間でも最もPP単価が優秀で効率的でした。土日祝日しかフライトせずGW中のフライトもあったのになんだかんだ合計のPP単価が10円を切るルートを構築できたのは、この路線の存在と今はなき旅割75タイムセールの存在がやっぱり大きかったなあと思うところです。

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7.関西~那覇

2016年のプレミアム旅割28において、もう一つ関西空港に関連した路線で優秀な設定が多かったのが、関西~那覇の路線です。

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便番号 1731
獲得PP 2247
年間最安値 ¥20,700(PP単価9.21円)
年間最高値 ¥35,000(PP単価15.58円)

夏場以降は下限額でもPP単価10円ラインより若干悪い設定が多くありますが、1日に数便の設定があって、新千歳空港起点だと新千歳~関西~那覇という乗継を検討しやすかったという理由でよく検索していた路線です。
2017年は6月までの設定を見る限り2016年よりも若干元気がない印象ですが、新千歳空港起点、関西空港起点でSFC修行ルートを考える場合には検討の候補上位に入って来るのではないかと思います。

8.成田~福岡

次に、成田空港からの路線で那覇に次いで優秀な設定が多く見られた成田~福岡の路線です。

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便番号 2141
獲得PP 1817
年間最安値 ¥10,400(PP単価5.72円)
年間最高値 ¥32,000(PP単価17.61円)

下限額の設定がPP単価10円ラインとほぼ同じ経過をたどっています。11月、12月には最安値の設定があり魅力的な路線になっていると思います。
逆に、プレミアム株主優待割引にはほとんど価値がないと言っても過言ではありません。他の路線にも当てはまりますが、プレミアム株主優待割引を使う場合は羽田空港も成田空港も「東京」となって同じ運賃になるので、素直に羽田空港を選んでおいた方が圧倒的にいい場合が多く、成田空港を選ぶ理由がなくなります。
成田~福岡路線の注意点は時期によってプレミアムクラスのない機材での運航があるということです。成田空港発着の路線でPP単価が優秀な設定が多く、かつプレミアムクラスがあったりなかったりする路線はこの成田~福岡と成田~新千歳が主に該当するのですが、プレスリリースに記載があって魅力に感じても、実際に調べてみると使えなかったりするので注意が必要です。

9.福岡~那覇

次に、2017年のSFC修行お勧めルートで比較的登場回数の多い福岡~那覇の路線を見てみます。

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便番号 1201
獲得PP 1742
年間最安値 ¥10,800(PP単価6.20円)
年間最高値 ¥30,800(PP単価17.68円)

実はこの路線、2016年にはあまりPP単価の優秀な設定が多くなかったという路線です。下限額と上限額の差が小さくて便数も多いので「那覇に向かった後にそこからの乗継を考える」という形では検討の余地がある路線ではあったと思いますが、目を引くような魅力的な設定が多く見られるのは、2016年11月以降です。
他の路線でもこういった形で「2016年11月からPP単価が優秀になった」傾向の見られるものはあって、代表的なものとしては伊丹~新千歳がそれにあたるのですが、同時にそれは「2016年の同時期よりも2017年の方が設定が悪くなっている便があると考えられる」ということでもあります。
2016年の設定がどうだったか、という情報はあくまでも参考程度で、2017年の設定はどうなのか、はその時々でしっかりと追う必要があるという現実を突きつけられます。

10.名古屋~鹿児島

最後に、主要空港から発着するメインの路線とは異なる視点からの路線を一つ。名古屋(セントレア)からの路線でPP単価が優秀な設定が多く見られる名古屋~鹿児島路線です。

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便番号 359
獲得PP 1427
年間最安値 ¥8,200(PP単価5.75円)
年間最高値 ¥31,100(PP単価21.79円)

2016年の設定は下限額PP単価が10円を少し超える程度の設定でしたが、12月に大きく運賃設定が下がっています。2017年の設定でも1月2月にこのくらいの運賃設定がありPP単価5円台という非常に優秀なPP単価を出していました。鹿児島空港を起点とする場合には日帰りの往復も十分使えそうな時間帯のフライトで、年間を通して検討できる路線ではないかと思います。

似た条件の路線を比較してみる

例えば、SFC修行のために東京から沖縄に向かいたいと思った時に検討される路線としては、羽田~那覇、羽田~石垣などがあります。
ここまでは各路線の下限額・上限額にフォーカスして年間の推移を見てきましたが、今度は路線別の比較をしてみます。
路線ごとの下限額・上限額を両方とも表示してしまうと非常に見づらいので、下限額のみ取り上げます。

1.羽田~沖縄(那覇・石垣・宮古)3路線

まずはSFC修行の王道3路線の年間比較です。

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路線によって上がり下がりが大きい、というのがわかります。時期によって、3路線の内どの路線が最もPP単価が優秀な設定となるかわからないというのもおもしろいところですね。少なくとも2016年の設定で見る限りでは、羽田~石垣が一番安定した運賃設定だったと言えるでしょうか。どの路線も運賃が高くなる7月8月を除けば、他の2路線に比較して上下の差が小さく年間を通して同じ程度の運賃設定です。

2.新千歳~大阪(伊丹・関西・神戸)3路線

次に、新千歳空港から大阪へ向かう場合の3路線、新千歳~伊丹、新千歳~関西、新千歳~神戸を見てみます。

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関西空港と神戸空港が年間を通してほぼ同じくらいの運賃設定となっているのに対して、伊丹空港の運賃の高さが際立つ結果となっています。
2016年にはこの点がネックで、伊丹空港の方が大阪都市部や京都などへのアクセスはしやすいのですけど運賃が高いので利用しづらいな・・・というところがあったのですよね。
注目どころは、11月以降です。上のグラフで11月と12月の設定を見ると、伊丹空港の運賃が急に下がって3路線がほぼ横並びになっていることがわかります。
実は2017年に入った後もこの傾向が続いていて、現在ではむしろ新千歳~関西よりも新千歳~伊丹の方が優秀なPP単価を出すことが多くなっています。
便数もそれなりに数があり(神戸空港は新千歳起点だと若干使いづらい時刻表ですが)、新千歳空港と関西地方を結ぶ3路線は全てSFC修行に使いやすい、と言っても過言ではない状況になっているのではないかと思います。

まとめ

以上、2016年のプレミアム旅割28について、年間の運賃設定推移を見てみました。
共通する点として、以下のようなものが挙げられるのではないかと思います。
・年間の最安値は、11月か12月に設定されることが多い
・4月~6月にも、年末に次いで安い運賃が設定されることが多い
・7月、8月は最も運賃が高くなることが多い(=プレミアム株主優待割引の優位性が高くなる)
・8月、12月はお盆と年末年始の影響で下限額と上限額の差が大きくなることが多い

ただし、同時に次のことも当てはまると言えます。
・でも結局、路線ごとに設定は異なるので、実際にその時になるまでわからない
記事初出時点で2017年のプレミアム旅割28も6月の設定分までが発表されていますが、続けて見てみればようやく「ああ、2016年の11月頃から安い運賃設定が続いているな・・・」というような判断ができる程度のものです。
1ヶ月、2ヶ月という形で時期を限定して優秀な設定がなされる、ということももちろんあります。そしてそれが、2016年と同じであったか、というとそういうわけではありません。2016年の11月12月に運賃が非常に下がった路線が、2017年にも同じくらいの設定になるかどうかはわからないわけです。
ただ複数の路線を比較してみる限り、やはりこの11月12月という時期の設定には期待が持てると言っていいのではないかと思います。11月12月と言えば、SFC修行にとっては追い込みの時期。新千歳空港などは雪の心配も出てきますので、フライトを集中させるには若干リスクも伴いますが、PP単価を追求するなら一つの選択肢になるでしょう。

完全な対策にはなりえないというのが正直なところですが、過去の傾向を知ることである程度検討する路線や時期の目星を付けることができるのではないかと思います。

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