普通席からプレミアムクラスへ、当日空席があった場合にお金を払って行う「当日アップグレード」。
特に長距離路線において、獲得PPを増やし快適なSFC修行を行うのに効果的なものですが、この成功率を上げるために持っておくとよい心得について、考えてみます。
当日アップグレードの基本おさらい
当日アップグレードについては、以前も記事にしました。
今回は当日アップグレードを行うということになった時、その成功率を高めるために何ができるかということにフォーカスして書いていきます。
当日アップグレードの基本をおさらいすると
・全区間で一律9000円でアップグレード(国際線の国内線乗継は免税で少し安い)
・当日空港で、空席がある場合のみアップグレード可能
・空席がある場合のアップグレードは、出発地の空港でなくても可能
・満席だった時、空席待ちすることが可能
・ただし空席待ちは、出発地の空港でなければできない
このあたりでしょうか。SFC修行との関わりなどについては上記記事をご参照ください。
成功率を高める3つの心得
では、この当日アップグレードの成功率を高める3つの心得とは何か。それは
①とにかく早く空港に向かう
②空席待ちの時に優先される「種別」になる
③空席待ちした後にも空席状況を確認する
という3つが考えられます。
それぞれ、詳しく見てみましょう。
①とにかく早く空港に向かう
空席があるにせよないにせよ、とにかく「早いもの勝ち」です。
空席がある場合はそのままアップグレードになりますし、ない場合で空席待ちを行うにしても、少しでも早い番号の整理券を手に入れることです。
できることなら、空港のターミナルビル開館と同時に到着する開館アタックを仕掛けましょう。チェックインカウンターに少しでも早く到着することが重要です。到着後の動線も意識するとなおよいでしょう。
フライトまで時間があっても、まずは空港に向かってアップグレードを試みる。愚直な方法ですが、現実的に成功率を上げる第一の心得です。
SFC修行などで複数の路線を同じ日に乗るような場合であれば、ポイントとして「一番早い時間の便に乗る時に全ての便のアップグレードを試みることができる」というものがあります。
空席待ちは出発空港でないとできませんが、空席がある場合のアップグレードの手続きはそうでなくても可能なんですね。
例えば乗継で、新千歳→羽田→福岡、とか新千歳→関西→那覇、とかなっている場合も、羽田→福岡や関西→那覇の部分も新千歳空港でアップグレードの手続きが可能です。
ただこのへんは、チェックインカウンターのスタッフさんによっては出発空港でないと手続きができない・・・と言われてしまうこともあるようなので、路線にもよるのかもしれません。いずれにしても、まずは要確認です。
②空席待ちの時に優先される「種別」になる
当日アップグレードをしたい!という時の多くはSFC修行中と思われるので、なかなかもどかしいところですが「種別」との戦いもあります。
SFC修行前の一般会員の場合は「種別B」になります。この時点では、一番早く空席待ちをして「種別Bの1番」の整理券をもらったとしても、その後に種別A、種別Sのプレミアムメンバーが空席待ちをしてしまうと、呼び出しの際にはそちらが優先されます。
種別Bの1番を朝一で早々にゲットしていたとしても、出発20分前に飛び込んできたプラチナ会員やダイヤモンド会員にかっさらわれてしまうということです。
つまり、種別Bであるという時点で、既に不利な戦いを強いられているという言い方もできます。これを回避するには、種別AまたはSを手に入れるしかありません。
ダイヤモンド会員はまあ・・・ちょっと雲の上の存在、という感じの人が多いかと思いますのでちょっと置いておくとして、問題は種別Aですね。
種別AにはSFC修行の到達目標である「プラチナ会員」「SFC会員」「スターアライアンスゴールド会員」の他に「ブロンズ会員」「スターアライアンスシルバー会員」も該当します。
つまり、SFC修行中でも、30000PPを超えてブロンズ会員になった後は種別Aでの空席待ちができる、ということです。
現実的には、空席待ちによるアップグレードを考えるならこの部分を活かすというのがいいのではないかと思いますね。
具体的なスケジュールとしては、30000PPを達成するまではプレミアム旅割28やプレミアム株主優待割引など、プレミアムクラスが確定する運賃による修行を行い、ブロンズ会員となった後に旅割75やタイムセールといったような「当日アップグレードを狙う」フライトを入れていく、という形です。
③空席待ちをした後にも空席状況を確認する
①②を正攻法とするなら、この③はまだ「裏ワザ」の側面があります。
ここが当日アップグレードを成功させる最大の秘訣、と言えるかもしれません。
逆に、既に種別Sだったり種別Aだったりする場合も、空席待ちをしたからと言って安心できない、ということにもなるのですが。
空席待ちの結果はフライトの15分前に、所定の空席待ちカウンターにて呼び出される形となります。重要なのは、この時の呼び出しは、あくまでも「15分前の時点で、空席が残っていた時」に行われるものである、ということです。
ANAの運用が実際にどうなっているのか不確実な部分もありますが、これがどういうことか、具体的な推測例を挙げて考えてみます。
今、プレミアムクラスの予約が「満席」表示状態だとします。
フライトの1時間半前の時点で、種別Aの会員Aさんが手続きをしました。
フライトの1時間前の時点で、種別Sの会員Sさんが手続きをしました。
フライトの45分前の時点で1名のキャンセルが出て、空席となりました。
フライトの30分前の時点で、種別Bの会員Bさんが手続きをしました。
フライトの15分前になり、予約していた人が現れず空席ができました。
さてこの状態で、プレミアムクラスへのアップグレードに成功したのは誰でしょう?
この時にアップグレードに成功するのは、まずBさん。次にSさんです。
重要なのは、Sさんのアップグレードが確定する前に、Bさんのアップグレードが成功しているという点です。
つまり、キャンセルが出た時点で空席になり、そこにBさんが手続きをした場合、既に空席待ちをしているAさん、Sさんを出し抜いてアップグレードすることができる、ということです。
もしこの時、Bさんの手続きがキャンセルが出るよりも早く、15分前まで手続きをする人がいなければ、優先順位通りにAさんとSさんがアップグレードに成功するということになります。
つまり、現状のANAのシステムではどうやら、既に空席待ちの人がいる状態で空席が出ても、それがすぐに空席待ちの人に割り当てられるというシステムではないようなんですね。
上の例で言うと、45分前の時点で生じた空席が、この時点で空席待ちをしているSさんのアップグレードに割り当てられるということがない、ということです。
従って、例え種別Sで空席待ちをしたとしても、油断せず空席状況を頻繁にチェックする必要があるということです。
キャンセルが出た場合の空席は比較的早く反映されてくるようなので、できるだけのことをするのなら「空席待ちを一番早く取り、かつチェックインカウンター付近で空席を常にチェックする」というのが最善、という理屈になります。
ここまでやってもアップグレードに失敗した時のことを考えると・・・なかなか厳しいかもしれません。それこそ修行僧向きでしょうか。
まとめ
当日アップグレードの成功率を高めるには、
①当日空港に誰よりも早く向かう
②空席待ちが優先される種別になる
③常に空席状況をチェックする
という3つの心得が大切になります。
SFC修行によく使うような路線では成功率は低いと思われますが、意外と空席があったりキャンセルになったりしてアップグレード成功、という話を聞くこともあります。まずは諦めずに行動することが成功への近道と言えるのかもしれません。